はやぶさ2、タッチダウン後の状態は? JAXA会見(全文1)10時6分18秒に着地
光学系の曇りによりターゲットマーカーの明るさが低下
当然カメラの光学系が、2番ですけども、曇ったがために、ターゲットマーカーも少し明るさが低下しました。ターゲットマーカーは十分に明るいんですが、やはり低下しますと画像の中にターゲットマーカー以外の明るい点ですね。例えば小惑星表面の岩とか、またはごみとか、時々明るい点がぽちっと出てくる確率がやっぱり高くなってきて、隣でターゲットマーカーが明るさに負けるというケースがなきにしもあらずという状況でした。これは別のパラメータを変更することで対処いたしました。これはまたあとで詳細をご説明いたします。 それから3番目ですけども、LRFの光学系、LRFというのは4本ビームのレーダーセンサーで、特に近距離で使うんですが、これもレンズにやっぱりごみが付いたがために測距可能な距離が低下してしまいました。具体的には、1回目のタッチダウンのときには28メートル以下から使えたんですが、17メートル以下になってしまいました。つまり、ある意味見える高度が低くなったということで、結果として降下シーケンスが全体的に低高度側にシフトしていきました。 これはやっぱり低くなればなるほど安全対策はいろいろ注意すべき点が多くなりますので、ここら辺はあまり表には出ないんですけども、タイムアウトといって、ある特定の高度から何秒以内にLRFが、例えばちゃんと動いてなければ、もう緊急上昇といったような、あちこちにゲートを設けてやって、探査機が危険にならないような策を講じる必要が出てきました。 それからもう1つ、光学系が濁るだけではなくて、実は光学系が濁るということは、小惑星表面からのレーダーの反射強度が低くなる。そうすると光学系の特性として誤差がものすごく大きくなる。ものすごくと言ったらちょっと言い過ぎですけど、大きくなってしまいました。実は高度20メートルで数メートルぐらいの誤差が乗ってしまった。 これは実はかなり重要な問題だったんですけども、ただ、その誤差の特性が結構予測できるものだったので、これはコンピューターっていうか探査機の中のソフトウエアの中で補整をすることができて、最終的には非常にちっちゃい、ほとんどゼロに近いぐらいの測距誤差までそれを補整することができました。これらの対策を施すことによって第2回のタッチダウンは、最終的にはうまくいったということです。じゃあ次の。