はやぶさ2、タッチダウン後の状態は? JAXA会見(全文1)10時6分18秒に着地
第2回タッチダウン運用の報告
照井:はい、航法誘導制御担当の照井です。第2回のタッチダウンの運用についての報告ですけども、まずここにあるようにタッチダウンをしたのは7月の11日の10時6分18秒ですね。タッチダウンした場所はC01-Cbといわれる、これはPPTDのTM1Aで投下したターゲットマーカーのAというものをターゲットとしたピンポイントタッチダウンを実施いたしました。 タッチダウン自身は成功でございまして、タッチダウンの検知はサンプラーホーンの変形に伴うLRF-S2の測距値変動によるものです。タッチダウン1のときには機体の姿勢レートの変動でしたけども、今回はLRF-S2の測距値の変動によるもの。タッチダウンの位置精度、これがたぶん今回重要だと思いますけども、60センチです。前回1メートルでしたので、さらに精度は向上したことになります。これはまたあとで詳細をご報告いたします。 次のページにいっていただきまして、これは小型モニターカメラですね。CAM-Hによる画像で、タッチダウン前後ですね。タッチダウンする前に高度約8.5メーターでホバリングするんですけども、そこから降下開始、ΔVをやってからタッチダウンをして、上昇して150メートルまで行く間の状況を、だいたい80、90秒ぐらいの間のものをこれ10倍速で再生、出しております。じゃあお願いします。 ここら辺から少しずつ降下開始ΔVをやったあとに急激に高度が下がっていきます。これで少しずつサンプラーホーンが小惑星の表面に近づいていって、今ちょうどこれでタッチダウンしてプロジェクタイルが発射されて、周りにその破片が飛び散った状況の中で上昇していくというのが見られると思います。かなり破片が飛び散っていますね。これはタッチダウン1のときと同じような状況だと思います。じゃあ次お願いします。
そんなに状況は楽ではなかった
結果ですけども、一番左のその図で見ていただければ分かりますが、タッチダウンの目標地点というのは、このC01-Cb、この半径3.5メーターの円の中心です。これはターゲットマーカーから2.6メーター離れた場所になるわけですけども、前回のタッチダウンですとこれが、タッチダウンのエリアは半径3メートルのエリアだったので、前回よりはある意味若干余裕はあったということにはなりますが、ターゲットマーカーから着陸目標地点まで4メーター離れてましたので、そういう意味では今回のほうがちょっとは楽だったといえると思います。これはまたあとで詳細というかまた別の図でご説明したいと思います。次のお願いします。 次が第2回のタッチダウン運用についての詳細ですけども、第1回のタッチダウン、うまくいって、2回目のタッチダウンも同じことをすればいいのではとわれわれ、特に航法誘導チームは思ってたわけですけども、実はそんなに状況は楽ではなかったということです。ここに4つぐらい課題として挙げておりますが、一言で言えばカメラが曇ってセンサーも汚くなったということです。 まず一番ですけども、光学航法カメラですね。ONC-W1の光学系が曇ったがためにターゲットマーカーの見える明るさが暗くなりました。なので、ターゲットマーカーの捕捉をするためにホバリングしてるんですけども、その高度を45メートルから30メートルまで下げざるを得なくなりました。その結果として、高度が【サガク 00:07:28】なれば見える場所も狭くなりますので、ターゲットマーカーが見える場所までちゃんと持っていってあげないといけないという制約がより厳しくなりました。 これは、あとで説明しますがGCP -NAVという航法誘導制御の制御精度をより高める必要があったということで、隣にいる、あとで大野がご説明いたしますが、そこら辺は要求は高くなったんですけども、これまでの実績から考えると不可能ではないという判断からゴーをかけたということです。