「愛」か「金」のどちらかがあればいい…離婚カウンセラー直伝の離婚後に後悔しない「決断」の仕方
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】刑務官が明かす…死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第35回 『夫婦関係は「大学受験」と同じ!?…パートナーの「地雷」を踏まないための「円満コミュニケーション術」とは』より続く
夫婦の「愛情」と「経済的メリット」
もし家に古いテーブルがあったら、どうすればいいでしょうか。 思い入れのあるテーブルなら、古くなってボロボロでも、しばらく取っておこうと思うでしょう。ただそのテーブルに何の思い入れもなければ、いますぐ粗大ゴミ行きにすべきです。 夫婦関係も同じです。愛情もないのに、経済的に損な関係を続ける必要はありません。 逆に、「愛情」か「経済的なメリット」のいずれかが残っていれば、夫婦を継続したほうがいいのです。 夫婦には経済的な関係という側面もあるため、いまの関係が経済的に損なのか、得なのか、しっかり考えて判断する必要があります。
自分の選択を後悔しないために
私の運営する離婚相談所では、最初から「別れなさい」と助言することはまずありません。 「立つ鳥跡を濁さず」ということわざを使うのですが、一度好きになって一緒に生活したわけですから、別れ際が汚いと、「あんな男と結婚していたなんて、自分の人生はいったい何だったんだろう」などとマイナス思考に陥り、落ち込んでしまいます。 また、深く考えずに離婚して経済的に困窮したり、相手の真意を見誤っていたことに気づいてしまうと、「離婚しないほうがよかった」と、自分の選択を後悔してしまうこともあります。 そうならないように、別れる前に一度、夫婦関係の改善をがんばってみることをおすすめしています。 自分にとってこの2人の関係がどのような意味を持っていたのか、なぜ結婚していたのか、どうして離婚したいのかをじっくり考えて理由を整理しつつ、何が原因で夫婦関係が悪化したのかを深掘りしてよく考えてみるのです。 その過程で、それまで気づかなかったパートナーの本当の気持ちに気づき、夫婦関係をやり直すケースもあります。