実は新種だった「ガイコツパンダホヤ」 SNSが発見のきっかけに 夢はホヤ図鑑を作ること
ホヤとの出会いは鮮魚コーナー
元々、海の生き物が好きだったという長谷川さん。 その中でもホヤに興味を持ったきっかけは、子どもの頃、家族と買い物で訪れたスーパーの鮮魚コーナーだったと言います。 「最初は、魚とも貝類とも違う独特の姿に興味を持ったんです」 岩に張り付いて動かず、流れてくるプランクトンを食べて生きる生態も魅力だそうです。 「進化の中で、どういう理由でこうした生態になったのか。生き残る上でどんな利点があるのかなどを考えると、とても面白い生き物なんです」 ホヤと聞くと、どうしてもお酒の肴というイメージが浮かびます。 「私も、ホヤの刺身を肴にビールを飲むのが大好きです」と長谷川さん。 ただ、私たちが食用にしているホヤは、ホヤの仲間のごく一部でしかないそうです。 「日本で食用にされているのはマボヤとアカボヤの2種類ですが、世界には約3000種類のホヤがいるんです。ホヤを専門にしている研究者が少ないこともあり、沖縄周辺など、日本の近海にもまだまだ未発見の種が多くいるのではないか」と長谷川さんは考えています。
夢はホヤ図鑑を作ること
「今後、ホヤの研究者としてキャリアを重ねていきたい。将来の夢は、ホヤの図鑑を作ること」と語る長谷川さん。 今回のガイコツパンダホヤの研究を通して、SNSの投稿が新種発見の役に立つのではないかと手応えを感じているそうです。 「日本近海に限っても、広い海を研究者1人の目と足だけで探すのは限界があります。ダイバーの人たちなどによるSNSへの投稿が、新種発見のきっかけになる可能性があると思いました」 長谷川さんは自身のX(旧ツイッター)のアカウント(@hoyahoy11532152)で研究成果を報告したり、ホヤに関する情報を集めたりしているそうです。 「変わったホヤを見つけたら、写真と一緒に、見つけた場所を教えてくれると嬉しいです」と呼びかけています。