「イカゲーム2」は「1をはるかに上回るおもしろさ」 イ・ジョンジェら3人&監督インタビュー
ファン監督は、徹底してビジュアルに心を砕いた。「グローバルコンテンツとして、どの国の人が見ても視覚的に分かりやすいようにというのを意識した」。色やデザインだけでなく、俳優の表情一つ一つまで細部にこだわった。ゲームを子どもの遊びにしたのも、分かりやすさを優先した結果だ。 実はイ・ジョンジェは、シーズン1の撮影時には2はないと思っていたという。ファン監督は「実際、シーズン2は1が成功しないと作れないので、1のエンディングは2がなくても成立するような結末にしたつもりだった。でも、内心10%ぐらいは2があるかもしれないと思って、そういう余地も残しました」と打ち明ける。 1は、ギフンが娘の暮らす米国行きの飛行機に搭乗する直前、フロントマンと通話し、「俺は馬じゃない。人間だ。だから知りたい。お前らの正体と、そんなにも残酷な理由を」と言って引き返すところで終わる。命がけで戦い抜いて億万長者になったが、愛する娘に会いに行くというハッピーエンドにはならなかった。ファン監督は「ギフンのセリフを通して、視聴者にも世の中をこんなふうにした人が誰で、なぜなのか、疑問を感じてほしいという思いで作った」と、その意図を語った。 イ・ジョンジェは「ギフンとしては生き残ったことが最もつらかった。自分が生き残ったということは、自分以外が死んだということだから。まともに生活できる心理状態ではなかったと思う」と言う。そんなギフンの選択は、ゲームを全力で阻止することだった。「もしギフンの立場だったら、どうしますか?」と聞いてみると、イ・ジョンジェは「僕もゲームを止めようとすると思う。権力者が自分の快楽のために他人を犠牲にするゲームなんて、あり得ない。ギフンに共感しながら演じた」と言う。ギフンはゲームを止めるために、再びゲームに参加する。「思うようにゲームが止められず、再び参加者同士が争うのを見るのがつらかった」と言うイ・ジョンジェは、完全にギフンになりきっていた。