県内重文3件、復旧費支援 文化財サポーターズ 松井秀喜さんが応援団長 1月末まで寄付募り配分
●珠洲市の白山神社と黒丸家住宅、能登町の中谷家住宅 文化庁は28日、能登半島地震で被災した文化財の復旧費の支援対象に、国重要文化財の白山神社(珠洲市)や黒丸家住宅(同)、中谷家住宅(能登町)など4件を選んだと発表した。民間団体と連携し、文化財の保存を目的に寄付を募る事業「文化財サポーターズ」の一環。事業では米大リーグのヤンキースなどで活躍した能美市出身の松井秀喜さんが「応援団長」を務めており、来年1月末まで全国から支援を募集し、配分する。 ●射水の1件も選出 他に国登録有形文化財の旧田中家住宅(射水市)が選ばれた。いずれも天井や壁、塀が崩れるなどの被害があった。8~9月に支援を希望する文化財所有者を募り、4件を選んだ。 白山神社は能登半島先端近くに位置する。文化庁によると、日本海側の地域で中世の建築様式の流れを知るためには重要な遺構とされる。黒丸家住宅は石川県内で最古の民家とされ、屋敷構えがよく残った貴重な民家という。中谷家住宅は家格の進展に合わせて座敷を拡張するなど、主屋の発展過程をよく知ることができる建物となっている。 「文化財サポーターズ」は今年3月、文化財を次世代に継承する資金を集めるため、官民連携で個人・企業に寄付を促す取り組みとして始まった。助成事業の第1弾として能登の文化財を支援している。6月までに約890万円が集まっており、12月2日からクラウドファンディング(CF)などで再び寄付を募る。 「応援団長」の松井さんはCFの返礼品として、サイン色紙やサインボールを提供している。