トランプ氏復権なら半導体・EV政策見直しか、アジア企業に暗雲
一方、2022年成立のCHIPS・科学法は、より高度な半導体製造を米国内に誘致するインセンティブを提供する。
トランプ氏は最近、人気ポッドキャスター、ジョー・ローガン氏とのインタビューで、「半導体のディールは非常にひどい」と述べ、台湾が「米国の半導体事業を盗んだ」と主張。高関税を適用する方が、企業に米国で工場を設立させるためのより良い方法だと論じた。
トランプ氏は「半導体の輸入品に高関税を課せばいい」とローガン氏に指摘。その上で、自分なら「関税を支払う必要はない。米国に工場を建設するだけでいい」と伝えると述べ、「工場建設のために彼らに資金を渡す必要はなかった」と付け加えた。
EVリスク
韓国企業は米国のバッテリー産業に多額の投資を行っており、LGエナジーソリューションやSKオンなどの企業がアリゾナ州やジョージア州、ミシガン州に工場を建設している。
しかし、EV需要は予想ほど強くなく、トランプ氏が政権を奪還してインフレ抑制法に基づく助成金を大幅に削減した場合、こうした企業の財務状況が悪化し、投資の根拠が損なわれる恐れもある。
LGエナジーは、EV販売が予想より低調で、現政権のEV政策をトランプ氏が廃止し得るとし、米国での計画にリスクがあるとの見方を示している。
トランプ氏が勝利し、特に共和党が上下両院を制すれるような場合、複数のEV関連規定が主な廃止対象となるかもしれないと、ブルームバーグNEF(BNEF)のアナリスト、コーリー・キャンター氏は今週のリポートで分析。
同氏は、燃費と排ガスに関する目標は「ほぼ確実に書き換えられる」とし、EVの購入またはリースに対する最大7500ドルの税額控除も廃止される可能性があるとの見通しを示した。
原題:Trump Threat to Biden’s Industrial Policy Hangs Over Asian Firms(抜粋)
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