『ガスト』来店者の6%が注文、ミシュランシェフ監修1990円フレンチに専門家は「ファミレス戦国時代」を予見
物価高が止まらない昨今。全国で1200店舗以上を展開し、財布に優しい価格帯で人気のファミリーレストラン『ガスト』が、なんと本格フレンチコースを提供するという。 ■【画像】ミシュランシェフ監修『ガスト』1990円フレンチ■ 監修したのは東京都港区の有名フレンチレストラン『白金台L’allium』の進藤佳明シェフ。 過去に勤めた六本木にある『ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション』や白金台の『ジョンティ アッシュ』でミシュランの星も獲得した実力派だ。 価格は税込みで1990円とお手頃価格だ。さっそく本サイトは、『すかいらーく』PR事務局 ガスト プロモーション担当の齊藤衛氏に話を聞いた。 「進藤シェフと試行錯誤の末に完成した、おいしさにこだわった商品です。今回の価格設定に進藤シェフは、“どんなに努力してもフレンチのコース料理とは5000円程度はするもの。2000円以下で提供すると聞いて本当に驚いた”とおっしゃってました」 実際の味やサービスはどうなのか、本サイト編集部は真相を確かめるべく、都内にあるガストへと足を運び、実際に試食してみた。
■店員さんが声掛け、まるで高級フレンチの接客
さすがに本格フレンチのように、テーブルにさまざまな大きさのカトラリーが並ぶことはなく、ナイフやフォークはテーブルの食器ケースから取り出して使うというファミレススタイル。 しかし、コース料理だけあって、食事は前菜、スープ、メイン、デザートの順で提供される。 まずテーブルに姿を見せるのは前菜三種の盛り合わせだ。ユズのさっぱりとした香りが楽しめるサラダ『アンディーブの柚子ビネグレット和え』。燻製のような強い風味を楽しめる『帆立のバターソテー』。 さらにサーモンをシュー生地に包んだ『サーモンマリネのグジェール』。この3品が小さく上品なお皿にちょこんと載せられて提供される。その盛り付けの美しさを見るだけで、まるでここが庶民派のファミリーレストラン・ガストであることを忘れそうになる。 一般的にファミレスでは、人件費の都合か、給仕はロボットが行うことが増えており、テーブル上の食べ終えた皿もしばらく放ったらかしのことも多いが、このコースでは前菜を食べ終えた後の程よいタイミングで、「お皿をお下げしてもよろしいでしょうか?」と、店員に声を掛けられた。 皿だけでなく、使用したナイフやフォークまで一緒に下げる丁寧な対応はまるで高級フランス料理店のようだ。 続いて「カリフラワースープ」。テーブルの上の食器ケースからスプーンを取り出し、クルトンとカリカリに焼き上げた豚バラの塩漬け肉が載ったスープを味わう。 すると再び絶妙なタイミングで、店員から、「お次の料理をお持ちしてもよろしいでしょうか」と、声をかけられる。 客が少ない時間帯だったので、このフレンチコースへの反応を尋ねてみた。 「おかげさまで、ご好評をいただいています。それぞれ単品でもご注文いただけるので、たとえばデザートだけ召し上がるお客様も。また、我々スタッフも、お問い合わせにお答えできるよう、実際に試食しました。次にお持ちする、メインディッシュに載っているゴボウのチップがおいしいですよ」