「ダンシング・ヒーロー」「六本木心中」の振付師が最も衝撃を受けたアイドルとは?「彼の表現力にはやられました」
有名曲の振付ヒストリー
荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」や、アン・ルイスの「六本木心中」の振付師・三浦亨さん(78)。「まだまだ俺も現役だからね」という三浦さんが明かす、衝撃を受けた伝説のアイドルとは……。 【写真】伝説の振付師が明かした「衝撃を受けたアイドル」
「真のエンターテイナー」と呼べるアイドル
名だたるアイドルたちに指導してきた振付師の三浦亨さん。 キャンディーズ、中森明菜や松田聖子など、王道のアイドルを知る彼が、「これぞ真のエンターテイナー」だと衝撃を受けたアイドルは、この男性グループのメンバーだった。 「少年隊のパフォーマンスを初めて見たとき、本当に驚きましたね。パーフェクトだと思った。 特にニッキ(錦織一清・59)。彼のダンス、身体能力、表現力、歌唱力にはやられました。 少年隊の座組はすばらしくて、パッと見てみんなの目を引く華があるヒガシ(東山紀之・58)、他の2人に比べて歌もダンスもいまいちなんだけど、なんともいえない愛くるしさがあるカッちゃん(植草克秀・58)、――いや俺たち業界人は“ウーサー”って呼んでいたんだけど――、それを、表現者としてパーフェクトなニッキがひっぱっている……。 俺が振り付けた曲は『ABC』(1987年)くらいだけど、少年隊の曲の場合、いろんな振付師のバージョンがあるんです。でもどれも、ニッキがアレンジして、独自のものにしているんですよね」(三浦さん、以下同) きらびやかな衣装でバク宙を連続してするといった、彼らの華麗なパフォーマンスは、バブル景気で浮かれていた当時の世相とベストマッチした。 「少年隊のダンスは本当にかっこいいから、ショーパブですぐ真似されていたんですよ。 ニッキはよくお忍びで観に行って、『もう真似されてた』なんて悔しがってた。だから常にいろんなバーションを考えていましたね。 ニッキはよくいろんなところに顔を出していたから、同じくらい遊んでいた俺は、しょっちゅう顔を合わせましたよ」 時代の寵児となった少年隊だが、三浦さんは錦織の苦悩にも気づいていたという。 「ジャニー(喜多川)さんは、ベストテンで1位とか、レコード大賞とか、そういうわかりやすい万人受けが好きだった。 でも、ニッキはもっと、通をうならせるダンスや演劇を極めたいと思ったんだろうね。 今は自分のやりたいことができていて幸せそうだけど、ジャニーズ(事務所)も、早くからそちら方面にも重きを置いていれば、全世界に通用するパフォーマーがもっと生まれていたと思う」