中国、新しいスパイ衛星を打ち上げ–「低軌道衛星群の新技術を試験」と説明
中国運載火箭技術研究院(China Academy of Launch Vehicle Technology:CALT)は現地時間10月23日、リモートセンシング衛星「遥感43(03)」(Yaogan)を打ち上げた。CALTは国有企業である中国航天科技(CASC)のスピンオフ企業。 中国はこれまで遥感43シリーズとして、15機の衛星を打ち上げてきた。同シリーズの3回目となる今回の打ち上げでは、3機が遥感43に加わる。遥感は、光学、SAR、測位の3つの衛星で構成されているとみられている。 遥感43は、西昌衛星発射センターから「長征2号C」(Long March 2C:LM-2C、Chang Zheng 2C:CZ-2C)ロケットで打ち上げられた。衛星の画像は公開されていないが、中国国営通信の新華社は今回の打ち上げについて「主に低軌道衛星群の新技術の試験に使用される」と説明している。一方で遥感シリーズはスパイ衛星として運用されていることが以前から海外メディアなどにより指摘されている。 遥感43の以前の打ち上げは、今年の8月と9月に実施。最初のミッションは西昌から「長征4号B」ロケットで9機が打ち上げられ、2回目は同ロケットで6機が投入された。今回の遥感43は高度500km、傾斜角35度の軌道に打ち上げられた。
塚本直樹