都内で「給食甲子園」決勝大会開催へ 千葉・旭の給食センター、ご当地食材で日本一狙う
ご当地の食材を使った給食の献立のアイデアや栄養価を競う「第19回全国学校給食甲子園」決勝大会(調理コンテスト)が8日、女子栄養大(東京都豊島区)で行われる。全国の1千件を超える応募から、最終選考に臨む12組の1つに千葉県旭市の第一学校給食センターが選ばれた。調味料にも地元の食材を活用し、郷土愛のこもったアイデアレシピで日本一になろうと、大会前の調理の練習に熱が入る。 ■60分で4品目6食分 同給食センターで食育を手がける栄養教諭、石井幸恵さん(44)と調理員の佐藤智子さん(60)の2人が献立を練る。 「料理のアイデアを出し合い、対戦するテレビ番組が以前から大好きだった」という石井さんはこれまで10回以上、大会に挑んできた。今回は「旭市の給食に一番尽力している」という佐藤さんとペアを組んだ。 決勝大会では片付けの時間も含め、60分以内で4品目6食分を作る。それぞれの料理の温度管理は欠かせない。衛生管理が行き届いているかも問われる。 11月29日。2人は本番を想定し、調理をしていた。「あと6分30秒です!」 残り時間を伝える声が響く。「どのタイミングで手袋をはめようか」「もう少し火を通してみようか」。2人は言葉をかけ合い、工程を細かく確認した。 ■感謝の思いで日本一へ 献立の主食は「鉄人そぼろご飯」だ。豚レバーを使った逸品で、子供たちが食べやすいよう甘辛味にし、ショウガやみそで独特のにおいをなくした。 主菜は「イナダの石播(いしま)きトマトソース焼き」。砂利に1粒1粒種をまき、じっくり根っこを育てるなどし、高い糖度を実現した地元産「石播きトマト」の特製ソースとチーズを若魚のイナダにふりかけ、焼き上げる。長く地元で愛される、うるち米の餅「性学(せいがく)もち」を使ったみそ汁も用意。地元の魅力が詰まったメニューに仕上げる。 同給食センターでは、献立用の食材の生産現場を直接訪ねて動画にまとめ、児童に披露するといった食育にも工夫を重ねてきた。こうした取り組みも評価され、決勝大会に進んだ。 石井さんは「生産者も含め、給食に携わる全ての皆さんへの感謝の思いを込め、日本一を目指している。旭市の子供が誇りを持てるきっかけにしたい」と語る。佐藤さんも「時間配分は大変だが、良い成績を残したい」と意気込む。
決勝大会はユーチューブで8日午前9時40分~同11時、ライブ配信される。視聴用のURLは(https://youtube.com/live/5NZzg_bd_Uo)。(松崎翼)