実店舗内の音声も広告に! 物販外収入を増やす米ホームセンター大手ロウズの新たなリテールメディアとは?
音声広告の効果測定
■ インプレッションが最も高い時間に展開 Vibenomicsのテクノロジーが提供する音声広告は、インプレッション(表示回数)ベースの購入実績と、設計したプログラムによるアクティベーションに重点を置いています。「これはラジオ広告に似ている」とVibenomicsのリテールメディアおよびパートナーシップ担当上級副社長であるポール・ブレナー氏は指摘します。 ┌────────── 店舗内の音声広告は、1つの広告が、店舗を訪れている多数のオーディエンスに呼びかけるという図式になります。売り上げに結びつく唯一の方法は、コントロール型のテストマーケティングを行うことだと言えます。(ブレナー氏) └────────── たとえば、音声広告の対象となる店舗グループを選択し、同じような来店者数の傾向と販促スケジュールを持つ比較可能な場所でのテストが実現可能かどうかを検証します。また、Vibenomicsは通常、広告のインプレッションが最も高くなる時間帯をターゲットにすることができます。 ┌────────── Vibenomicsが店舗内音声広告のターゲティングにおいて重視するのは、曜日、時間帯、特にインプレッションの多い時間帯です。(ブレナー氏) └────────── ■ 計画的なターゲティングが可能 ほかにも、プランニングに基づいたターゲティングをすることもあります。たとえば、ガーデニング用品を販売する小売事業者は、春シーズン向けの販促を行う際、まず2月に米国南東部の店舗を音声広告のターゲットにし、その後、本格化な春が来るにつれて、音声広告を展開する店舗を中西部などの地域へ北上するといったケースです。 ブレナー氏は「目標は、インプレッションをベースにした広告プログラムを、音声広告を実施する店舗ごとに導入することです」と指摘します。Vibenomicsの音声広告による店内インプレッションを、Lowe'sのリテールメディアネットワークに情報として提供します。これにより、Lowe'sとVibenomicsは、店舗内音声広告の費用対効果を、オンライン上の広告出稿の費用対効果と同じように測定できるようになるのです。 ┌────────── 店舗内広告の活用はまだ基礎段階です。Lowe'sは店舗内音声広告を取り入れて、リテールメディアネットワークの拡張を図りました。今では、より自動化された広告テクノロジーや、コンバージョンに至った間接的な貢献度を測定するアトリビューションを構築できるようになったことを喜ばしく思っています。(ブレナー氏) └────────── ■ 顧客データの収集・活用はプライバシー基準に対応 Lowe'sは音声広告に関して、位置情報データや歩行者数などを測定するデータ会社Placer.aiとも連携しています。Placer.aiはVibenomicsにデータインサイトを提供し、店舗ごと、時間ごとのインプレッションの追跡に貢献しています。 ブレナー氏によると、データの収集や活用方法において、各社はインターネット広告協会(IAB)が定めた基準に従っています。 Vibenomicsはビジュアルディスプレイ広告でも、個人や集団の年齢、性別、所得、教育水準、職業などの情報を活用するデモグラフィックデータは収集しません。Placer.aiは、ユーザーの位置情報やトラフィックを追跡するために、デバイスの識別情報を追跡することはありません。Placer.aiは機械学習と画像を使用して、小売店舗にどれだけの人が入店し、どれだけの時間滞在するかを判断しています。
IABは、店舗内で展開するリテールメディアネットワークの定義と測定基準を作成しました。急速に拡大している店舗内リテールメディアに対応し、広告フォーマットや展開する店舗の定義統一、測定基準、ガイドラインを設ける目的です。定義と測定基準について、IABは2024年11月1日までパブリックコメントを受け付けています。