事実、売れている!〈テスラ〉モデルY
再び海外取材に出かけるタイミングも増えた2024年。頻繁に欧州を訪れるようになってみれば、コロナ前とは明らかに変化を感じることがある。それが電気自動車の多さだ。
今年、筆者が最も多く訪れることになったフランスでいえば、2023年のデータ上、新車販売台数の実に21%がBEV(電気自動車)もしくはPHEV(プラグインハイブリッド)となっていて、前年度比ではなんと48%増。つい先月滞在したデンマークではEV普及率がなんと48%(2024年7月)。もちろんEU圏内とはいえ国によっての違いはあるものの、2024年7月のEV普及率が2.58%という日本からすると、普通にパリでそのへんを歩いていても『EVだらけじゃね……』とつい道路を凝視してしまうほどの、圧倒的な変化なのだ(データー出展:一般社団法人日本自動車協会連合会)。 そしてなんと、知っていますか? 2023年、世界中で最も売れたクルマが今回ご紹介する〈テスラ〉モデルYだったということを! 「え?『一番売れたBEV』の間違いじゃないの?」と、そう思いたくなる気持ちもわかります。先述のとおり、日本はそれを実感し難いマーケットでもあるけれど、事実なのだ。ちなみに世界で2番目に売れたのが〈トヨタ〉カローラというのだから、これも天晴なのだけれど!
で、話は冒頭に戻る。欧州にいると、実にこの〈テスラ〉の多さにおののく。つるんと丸い特徴的なデザインで、従来の自動車にない存在感がなおのこと目を引くという以上に、事実、あっちもこっちも〈テスラ〉だらけ。こうなってくるとちょっと羨ましくもなってしまって、改めて4日間ほど試乗してみた。ちなみにモデルYは過去2度ほど改良が加えられていて、今買えるモノもフロントバンパー周囲から物理センサー類が排除されるなど、最新モデルとなっている。 まず、久しぶりに目の前にすると、けっこう大きい。モデル3と併せて〈テスラ〉の中では小型のモデルYだが、競合比ではミドルクラス+αくらい。意外に大きいのだ。しかし、運転をはじめるとBEVならではのレイアウトも手伝い、ボンネットの角度に自由度があるようで、直接視界がとてもいい。かなりよく周囲が見渡せるので、クルマを小さく感じるほどだ。 さらなるメリットは駐車のしやすさで、なぜか毎回きっちりまっすぐに停められる。実はこれが叶わないクルマが多いのだけど、型破りな印象が強い〈テスラ〉って、実は優れたドライバビリティを誇るってこと、かなり誤解されているような気がする。