妻は入院 同居の孫はノータッチ 服薬も入浴も一人で出来ない夫 どうなる?これから<実録マンガの舞台裏>
現役ケアマネジャーによる人気漫画
介護職13年の現役ケアマネジャーへもが、周囲で起こるドタバタな日常をマンガにした『へもでもできるもん』。娘が亡くなり、そのショックから鳥野玉子さん(82歳)は精神科に入院。軽い認知症のある夫・巣太郎さんの介護は孫の空男さんに託されました。しかし空男さんは、ろくに介護をしないのに訪問介護は猛反対。この一家を救う手立てはあるのでしょうか……!? この時の様子を、作者のへもに聞きました。 【マンガ】本編を読む 妻が入院 認知症の夫は入浴・着がえ・服薬すべてできず 解決策は
【介護の現場では――】
孫の空男さんができていることといえば、巣太郎さんのご飯をコンビニで買ってくることのみ。さらに薬もきちんと飲ませられていないことが発覚します。 「これらすべてを解決できるのは、ショートステイ(短期入所生活介護)だな」と考えたへも。ところが巣太郎さんはこれまでデイサービスを拒否してきた過去があり、すんなりいくはずもなく……。この状況で、へもに使える「奥の手」はあるのでしょうか!?
――自分で介護をしないうえに訪問介護も反対するなんて、一番ダメなパターンですね……
ご飯は買ってきているのでギリギリセーフ、というところですね。現在担当しているなかにも、何人かこういった方はいます。訪問しても家にいるのは本人だけで、家族に会えないこともあります。
――介護が必要な高齢者が一人で家にいるのは心配です
ただ、本人しかいないといっても、認知機能が残っている人の場合ですが。介護について提案をしたくても家族がいないので、お手紙を置いてくることもあります。
――家族の協力が得られない場合でも、ケアマネさんは対処してくれるものなんでしょうか
どこまで関わるべきか、線引きが難しいんですよね。ケアマネとしてできる範囲のことをやる、というくらいでしょうか。一方で、ネグレクト(介護を完全に放棄している)が見受けられる場合は、通報しますよ、という警告をすることもあります。
――通報とは! なかなか大変ですね……
といっても、僕の担当でこれまで通報に至ったことはありません。地域によって方法は違うかもしれませんが、まずは地域包括支援センターに「虐待につながりそうだ」という相談をし、さらに市役所の人も交えての「地域ケア会議」で対応を話し合います。 『へもでもできるもん』は、「なかまぁる」(朝日新聞社)のウェブサイトで連載中。