ホウレンソウを下ゆでしないのはNG?食べ続けると“人生の三大激痛”尿路結石に!?実際はどうなのか専門家に聞いた
冷凍やサラダホウレンソウは?
尿路結石予防にはホウレンソウに含まれるシュウ酸を減らして食べたほうがいいが、そこまで神経質になりすぎなくてもいいことがわかった。 では、冷凍ホウレンソウや、生のまま食べられる“サラダホウレンソウ”に含まれるシュウ酸の量はどうなのか?また、シュウ酸は味にも影響するのか? シュウ酸の少ないホウレンソウの品種改良に取り組んでいる石川県立大学の村上賢治教授にも聞いてみた。 ――冷凍ホウレンソウのシュウ酸の量はどうなの? 冷凍ホウレンソウは下ゆで(ゆでこぼし)をしていないものもあると思うので、シュウ酸の含量は生のホウレンソウと同じだと思います。さらに、冷凍したものを解凍すると細胞が壊れて成分がいっきに出てくることも考えられます。気になる人はゆでこぼしをしたほうがいいでしょう。 ――生のまま食べられる“サラダホウレンソウ”は? 販売されている多くの「サラダホウレンソウ」は、生でも食べられるよう、葉の柔らかい品種で、若いうちに収穫したものです。シュウ酸はそれなりに含まれています。ですが、生のホウレンソウはそう大量に食べられるものではなく、その人の体質にもよりますが、少量でしたら大丈夫だと思います。 それより良くないのは、下ゆでせず加熱しての大量摂取や、ゆで汁ごと大量に食べることだと思います。
シュウ酸によって出る「きしみ感」
――シュウ酸の少ないホウレンソウの品種改良に取り組んでいるとのことだが、シュウ酸が含まれることによって、味にどのような影響があるの? ホウレンソウのシュウ酸は水溶性で、葉に多く含まれています。口に入れると、歯に独特の「きしみ感」がありますが、それはシュウ酸と唾液のカルシウムが化合し不溶性の物質ができるからだと考えられています。 ――下ゆでをしたほうがシュウ酸を減らせるとのことだけど、「きしみ感」も減るの? 私の感覚としては、下ゆでをしたほうが「きしみ感」も減ると感じます。そのような感じを持たれるのが一般的だと思います。 ――最後に、先生の考えるホウレンソウの優れた点は? 栄養価もありますが、食味だと思います。甘みやうまみに関して、用途の似ているコマツナと比べてホウレンソウに軍配が上がると思います。課題としてはシュウ酸だと思いますので、その含量を少なくできればとても良いと思います。 下ゆでをする、食べ合わせを工夫する方が尿路結石のリスクを下げられるが、より重要なのは水分をとることだそう。また、下ゆでをしたほうが、「きしみ感」も軽減されることもわかった。 シュウ酸が含まれているからと敬遠せずに、おいしく安全にホウレンソウを食べてほしい。
プライムオンライン編集部