【新春インタビュー】甲子園優勝投手・吉永健太朗が振り返る高校時代「甲子園初登板、アドレナリンが止まらず……」
甲子園初登板、アドレナリンが出すぎて……
――甲子園デビューというのはどうでしたか? 吉永 僕が高校で初めて公式戦で投げたのが甲子園の準々決勝だったんですよ。テンションが上がって、最終的にアドレナリンが出すぎて真っ直ぐが制御できなくなり、球速を落としてストライクを取りにいったら、大学の同級生の丸子(広陵)にホームランを打たれるっていう……良い経験をしつつ、ちょっと苦い思い出もあるデビュー戦でした。 ――甲子園を経験したからこそ生まれた自身の変化などはありますか? 吉永 精神的なところで言うと、あれだけのお客さんが集まるっていうことはないと思うので、大歓声の中で自分のパフォーマンスをしっかり出せた経験、出せなかった経験もあるし、大舞台を経験させてもらえたというのは、自分の中ですごく財産になったかなと思います。また怪我で上手くいかなかった時間もたくさんあったので、そこで頑張るきっかけになったのが、甲子園で投げるということでした。実際に甲子園で投げることができた経験が大きかったのかと思います。 ――2010年夏の大会の準決勝、日大鶴ヶ丘戦を振り返っていただきたいんですけど、あの敗戦で何か経験したことはありますか? 吉永 2年生ということもあって3年生の最後の夏を終わらせてしまったというところがやっぱり凄く悔しかったです。3日間ぐらいは涙を流すぐらい責任を感じていました。そして一つ上が引退する姿を見て、自分は最後頂点取るまで負けずに終わりたいというところは思ったので、そこは1つ自分の中で頑張れるきっかけにはなったのかなと思います。 ――日大鶴ヶ丘戦の敗戦があったからこそ、新チームの秋の大会、神宮と勝ち上がってこれたのでしょうか。 吉永 そうですね。やっぱりそこはあるかなと思ってますし、1つ上の代から活躍している選手もいたので経験値というのも高かったのですし、総合力としてスキル・経験もあったし、敗戦からもっと頑張ろうというところで夏終わったあとチーム一丸となってやってたので、そこは凄く良かったのかなと思います。 ――甲子園を振り返ってみて想いだったり、現在役に立っていることはありますか。 吉永 甲子園に限らず高校3年間という経験は、自分のこれまでの人生においての財産になっているかなと思ってます。理由としては、どんなに辛い時でも冬練以上のキツさは無いとか、あとは上手くいかなかった時に頑張れば結果として最終的に良い結果が残せるとか、辛い時から成功体験まで色んな経験をさせてもらったので高校はかけがえのない財産かなと思います。