【特集】“殺傷能力のある武器”の輸出がついに解禁 5年で43兆円の予算に、新規参入企業も続々 技術力・防衛力の発展に繋がるのか?それとも…過熱する「日本の防衛産業」の今を追う
普段、介護の現場などで認知機能をチェックするサービスを提供している会社は―。 (トータルブレインケア・河越眞介社長) 「隊員の認知機能が正常に働いていないと、違う行動をしてしまったりします。武器は作れないけど、隊員の皆さまの心のところで貢献できないかなということで、参加させていただきました」
2017年に創業した京都市のベンチャー企業「DiO」は、災害や火災に備え、歴史的な建造物をドローンなどで3Dスキャンし、アーカイブとして保存する事業を手がけています。防衛産業とどう結びつくのか―想定しているのは、自衛隊の大型車両などを3Dスキャンすることで、細かなキズや錆などを自動で見つけるシステムです。大型の護衛艦や輸送機などは、人が目視で確認するのは手間がかかります。しかし、この方法なら省力化が見込めるため、隊員不足に悩む自衛隊への売り込みを目指しています。
(DiO・小田守営業部長) 「今、防衛装備に関する国の予算と政策は非常に大きなものを持っていて、私どものようなベンチャー企業にもチャンスがあります。市場がそもそもあると判断しているので、そこが(参入の理由として)一番大きいと思います」
展示会を主催した防衛装備庁は、今後も民間企業が防衛省や自衛隊とマッチングする機会を増やしていくと意気込みます。 (防衛装備庁装備政策部・伊藤和己課長) 「なるべく多くの企業に防衛産業に参入していただいて、我が国の技術的な優越性を確保するとか、サプライチェーン(供給網)の強靭化ということになると、我々の防衛力の強化にもつながると思っていますので、ぜひ多くの企業に参入していただきたいです」
4基で契約金140億円以上!開発拠点を新設し、第三国への輸出を強化する大手企業も
防衛産業の盛り上がりは、大手企業にも―。取材班が訪れたのは、兵庫・尼崎市にある三菱電機の開発・生産拠点。ここでは、ミサイルや戦闘機を探知するレーダーなどを作っています。三菱電機は2023年5月、防衛予算の増額を受け、防衛・宇宙事業の人員を1000人ほど増やし、さらに700億円をかけて、開発生産拠点を新たに建てることを決めました。
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