【解説】「台湾人」が選ぶ未来 総統選挙の情勢は…残り3か月の注目点
■残り3か月の注目点
Q 選挙戦残り3か月の各陣営の戦略は? 「(これまで8年ごとに政権交代を繰り返してきたので)政権交代をしたほうがいいというのは台湾の多数派の考え方。頼氏がここで勝つと今までの習慣のようなものを破ることになる。頼氏としてはそれでも民進党の継続が必要なんだということを特に国際政治との関係で訴えていくと思う」 「野党としては内政の(政権が)8年続いたことの中だるみ、腐敗や非効率が出ているのでこれを変える、これが台湾の民主主義のあり方だと言っているので、かなり厳しい攻防がこの先白熱化する」「野党としては候補が(侯氏・柯氏の)2人に分かれていると勝ち目が薄いので侯補一本化の最後の努力はこれから始まる」 ただ、「候補一本化」はどちらかが総統候補を断念することを意味し、実現のハードルは高いという。 「実現の可能性はゼロではないが、かなり小さくなってきている。もう締め切りが近づいてきている。(11月24日の侯補者確定まで)あと2か月の間に、正式な話し合いも始まってないのに、これからそれを成し遂げられるのか」 Q 最後に、日本に暮らす我々は台湾の総統選挙をどうみればよいか。 「日本の隣で、非常に活発な、民主主義の実践をすごく意識した選挙戦となっている。そもそも隣の中国が台湾の中華民国という体制を滅ぼそうと、併合しようとしている中で選挙を行い、どうやって民主主義を貫いていくかを台湾の有権者が考えている。これ自体がすごく日本にとっても見るべきところがあると思う。(台湾の)民主主義の議論を私たちは見守りたいし、それに海外から干渉するようなことがないよう国際社会と共にしっかり見ていきたい」