厚生年金でも平均月額約14万円…改革も検討される「年金制度」の仕組みを理解しよう
2024年8月15日は、2ヶ月に1度の年金支給日でした。偶数月の支給を待ち望んでいたシニアの方もいるのではないでしょうか。 ◆【写真5枚】厚生年金保険「平均年金月額」の推移。2枚目以降では、年金制度の概況や遺族年金制度等の見直しについて掲載。 この記事では、公的年金の仕組みと直近で予定されている改正について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
厚生年金の平均月額は約14万円
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金分含む)の平均受給月額は14万4982円、つまり約14万円です。 しかしこの金額はあくまでも、会社員など給与所得で働いている方の年金額である点に留意する必要があります。 なぜなら一般的に自営業者よりも、会社員のほうが将来、受け取れる年金額が多い傾向にあるからです。 次の章では、現行の年金制度について確認していきましょう。
日本の公的年金制度は「2階建て」
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てになっています。 まず年金制度の1階建て部分にあたる国民年金は、日本に住んでいる20~60歳のすべての方が加入する制度です。 さらに会社員や公務員の方は、2階部分にあたる厚生年金にも加入します。 国民年金を支払うと将来「老齢基礎年金」、厚生年金を支払うと将来「老齢厚生年金」が受け取れます。 したがって国民年金と厚生年金に加入している会社員や公務員は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取れます。 そのため、自営業者よりも将来受け取れる金額が多い可能性が高いのです。 なお、年金制度は「3階建て」と言われることもありますが、3階部分は将来の公的年金の不足額を補う目的で、個人や企業の自助努力で加入する制度を指します。
公的年金「老齢年金・障害年金・遺族年金」の概要と受給要件
公的年金と聞くと、老後に受給できるものというイメージがありますが、実は公的年金が受給できるのは、老後ばかりではありません。 公的年金は以下の3種類があります。概要と受給要件について簡単にまとめてみました。 できれば起きない方が良いことですが、仮に被保険者が障害状態になったり死亡した場合は、65歳にならなくても要件を満たしていれば受け取れます。 万が一のことが起きたときのために知っておくと良いでしょう。 次の章では、見直しが検討されている遺族年金・障害年金制度について詳しく確認していきましょう。