ホンダと日産、経営統合へ協議 両者が抱える事情と狙い 【Bizスクエア】
日産とホンダが協業に向け、覚書を締結した2024年3月。将来の資本提携の可能性を聞かれ、両社とも資本提携を否定してから1年足らず。経営統合に向かわせたものとは? ■「統合」急展開の背景 ナカニシ自動車産業リサーチ 中西孝樹代表アナリスト: 日産の経営が悪化して様々なステークホルダーが入ってき始めた。一番わかりやすいのは最近ではエフィッシモファンドとか、アクティビスト系が日産の5%近い株を握っている。経営統合をやらないで、日産がそういった外のファンドにいろいろ狙われるみたいな状況で、未来を左右する開発を一緒にやるのは極めて難しくなる。最近では台湾の鴻海(ホンハイ)というメーカーが日産の買収に興味を持っている。鴻海からすれば、日産の自分たちのビジネスモデルにフィットするものは伸ばすが、そうでないものはやはり切り捨てる。結構バラバラにされる感がある。日産が望むべきはホンダ。 ■経営統合 成功の鍵は? 中西氏は経営統合が成功する鍵は、カルチャーの違いを乗り越えることにあると指摘する。日産は11月に発表した2024年上半期の最終利益は9割以上(93.5%)減少した。経営の立て直しのため発表されたのは、全世界で9000人のリストラと生産能力の2割削減。ホンダと日産の統合が成功する条件とは? ナカニシ自動車産業リサーチ 中西孝樹代表アナリスト: 日産からは「なぜホンダは上目線で俺たちのこと言うのか」。ホンダからは「日産はそんなに成功する前提で話をするのか」と。カルチャーが違う。統合が実現すれば、ホンダが経営のリーダーシップを握るのは統合比率から避けられない事実。ただそれはホンダが支配をして言いなりに日産をさせるという意味ではなく、ホンダは日産の良い面を引き出すと考えて欲しい。それが統合会社が反映し、日産というブランドが輝き、日産というサプライヤーが強くなるなら、とてもみんながハッピーになる。そういう結末を導ける可能性がある経営統合だ。このまま何もしなければ、ホンダも日産も座して死を待つ。そういう状況だ。