ホンダと日産、経営統合へ協議 両者が抱える事情と狙い 【Bizスクエア】
――この動きは、ウェルカムなのか、迷惑なのか。 TBS経済部 梅田翔太郎記者: 非常に複雑。日産社内でも、ホンダとの経営統合に進んだ方がいいという声も当然あるが、一方で鴻海と組んだ方が、経営の自主権は保たれるのではないかという声もあり、社内ではいろんな声が巻き起こっている。 ――鴻海と組んだ方がいいというのは、どういう意味か。 TBS経済部 梅田翔太郎記者: ホンダの方が経営体力もあり、車のビジネスもすごくよくわかっている。技術も含めて飲み込まれてしまうのではないかという懸念が日産の中にある。鴻海はEV事業を立ち上げたばかりで、車のビジネスにすごく入り込んでいるわけではない。車を知っている自分たちが経営の主導権を握るのではないかという見方をしている人がいる。 ――12月23日には、統合について発表できそうか。 TBS経済部 梅田翔太郎記者: 12月23日に取締役会を開いてそこで統合協議については決議する見通し。ただ日産社内いろんな声がある中で、なかなかその全会一致で協議という形にはならない可能性も高いのではないかと見ている。 ――統合の形態はとりあえず持ち株会社の下に2つの会社をぶら下げる。そのハードルとして一番大きなものは何か。 TBS経済部 梅田翔太郎記者: 持ち株会社を設立するということで、その統合比率をどうするか。日産は足元の業績が非常に厳しい状況。それも含めて50:50に持っていくのは厳しい。 現在ルノーが保有している日産の株は約17%で、残りの18.6%は信託銀行に移されている。台湾の中央通信によると、鴻海はルノーが持っている日産株の取得を目指して交渉していると伝えている。 ――ルノーは日産に対して一時40%以上の株を持っていた。これを対等にしようと何年も交渉やって15%の議決権しか持っていない。残りの部分は信託していわば金庫に入れたような形になっている。この株を何とかしないと、ルノーが新会社の株主になる。