【三原勇希さんインタビュー】出産前は「諦め」と思っていたことが「いい変化」に
産後に世界を見る目が変わると、キャリアの考え方も変わった
――視点の変化について、具体的に教えてください。 子どもを産むまでは気付かなかった道の段差とか、音の大きさ、周囲の人との関わり方…全ての物事への感じ方が変わりました。そういう発見や学びに満ちた毎日なので、SNS等で発信する内容も以前とは変わったかもしれません。 ――お仕事の幅も広がりそうですね! まだできることを少しずつ受けている状況ですが、すでに求められることが変わってきた実感があります。今回のお仕事もそうですが、母親としての経験や意見を活かした仕事に挑戦できることは楽しみのひとつです。 また、浅野美奈弥ちゃんと立ち上げたランニングコミュニティ「GO GIRL」も、プログラムの幅を広げるべく模索している最中。結婚や出産を経てライフスタイルが変わっても、好きなことを続けられる!というメッセージを発信できるようなコミュニティに進化させたいね、と話しています。 ――妊娠を知った際、ライフスタイルが変わることへの不安を感じたとおっしゃっていました。実際に多くの変化があったと思いますが、それについては現在、どのように感じていますか? 好きなことをできる頻度も時間も確かに減りましたが、「今まで通り」にできなくても全然いいんだ、という気持ちです。それに、最高に好きなこと=「子育て」が爆誕しました! これは自由人だった自分にとってまったく想像していなかったことで、人ってこんなに変わるものなんだな、と自分でも驚いています。仕事に関しても、本当にやりたいことだけ、家族にとって無理のないように全力でやる。それを持続していけるなら、母親になった自分にとって、ベストな生き方なのかなって。 かつては、楽しいことは全部やりたい!という性格でしたが、いい意味で、がむしゃらさが無くなったような気がしますね。出産する前は「諦め」だと想像していたことも、「いい変化」だと思うようになりました。
お母さんだって一人の人間。強い時もあれば、弱い時もある
――妊娠を公表した際の投稿では、「強くなりたいと思った」という言葉が印象的でした。現在も、そう感じていますか? それまで背負ったことのない責任を感じて、頑張らなきゃ!という気持ちもあったし、アクティブでパワフルな母ちゃんになりたいとも思っていたし(笑)。いろんな意味で、強くなりたかったですね。でも実際は、子どもを産んでさらに泣き虫になり、体もヘナチョコ。全然強くなれていない気がしますけど、毎日学びの連続ではあるので、成長してはいるんじゃないかな!? 母親になって感じた変化のひとつが、自分の母親を一人の人間として見るようになったこと。昔は母の機嫌が悪い姿を見るのが好きではなかったけど、母の大変さをほんの少し体験してからは、“そりゃそうだよね、お母さんにだって疲れる理由もあるよね”と思ったというか。同じ目線で、育児の悩みを共有できたのも不思議な感覚でした。母として見られるのもうれしいけど、母である前に、一人の人間ですから。強い時もあれば、弱い時もあるよね、って思うようになった。 ――妊娠・出産に不安を感じている人に向けて、どのような言葉をかけたいですか? 一緒に頑張りましょう!かな…? まだまだ親としては新米ですし、正直に言うと、次から次へと不安は絶えません。私も絶賛、腰がいつ壊れるのか心配でたまらないし(笑)。でもそんな時はいつもまわりの人の優しさを感じられるし、子育てをしていると、それを何倍も上回るほどの楽しみができました。子どもがどんな性格に育ち、どんなことをして、その時々に私はどんな感情を味わうのか…想像するだけで泣けちゃいます。そして何よりも、我が子は本当に可愛くて、毎日幸せすぎます! 結婚しかり出産しかり、まわりの人がすごく喜んでくれて、それを見たら私もすごくうれしくなって。新しい喜び、愛情、仲間と出会い、私の人生はより豊かになりました。昔の私には想像もできなかった自分がいるから、本当によかった。心から、そう思います。 三原勇希 1990年生まれ、大阪府出身。雑誌『nicola』モデルとしてデビュー。tvk「sakusaku」で4代目MCに抜擢されるなど様々な番組に出演を経て、現在は音楽、映画、スポーツとカルチャーに強いライフスタイルを多才に発信し、ラジオパーソナリティや番組MCを務める。プライベートでは、2023年にプロサッカー選手の犬飼智也と結婚を発表し、同年9月に男児を出産した。 カーディガン¥126,500/ピリングス(ピリングス info@pillings.jp) リング¥9,900/ニナ・エ・ジュール(ショールーム ロイト 03-6859-8112) 撮影/岡本俊 スタイリング/藥澤真澄 ヘアメイク/蔵本優花 取材・文/中西彩乃 構成/渋谷香菜子