センバツ2022 1回戦 広陵、つながる打線9得点 継投も奏功、敦賀気比を零封 /広島
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第2日の20日、3年ぶり25回目出場の広陵は1回戦で敦賀気比(福井)と対戦、9―0で快勝した。打線は17安打と猛攻、先発・森山(3年)と松林(同)が継投で相手打線を3安打に抑え零封、2019年に続き甲子園に校歌を響かせた。2回戦は第6日第3試合(24日午後2時開始予定)で九州国際大付(福岡)と戦う。【根本佳奈、山口一朗】 「できすぎ」と中井監督に言わしめるほど、自慢の「切れ目のない打線」を存分に発揮した。 一回1死、2番松下が右前打で出塁すると、3番内海が高めの直球をとらえて右翼線二塁打で先制点。さらに2死三塁、5番田上が思い切りの良いスイングで、右翼手の頭上を大きく越える適時三塁打で2点目を挙げ、試合開始早々に主導権を握った。内海の父・将人さん(49)は「本人の調子は上がっている。先制点を取ってくれてうれしい」と喜んだ。 五回にも松下、内海の連打で無死一、三塁の好機を作るとメジャーリーガーにちなむ「ボンズ」こと4番真鍋の犠飛で3点目。6番背戸川内の冷静に見極めた四球などで2死一、三塁とすると、7番川瀬が鋭いスイングで左中間二塁打、8番大山が右中間を破る2点三塁打と連続長打で相手を突き放した。八回には代打西が2死満塁で左翼線二塁打を放ちダメ押しの2点を追加した。 昨秋の明治神宮大会準優勝ながら「自分たちはまだまだスイングが弱い」と慢心せず、筋力トレーニングやバットを振り込んで鍛えてきた打撃力が実を結んだ。内海は「打線がつながってよかった。次もチーム一丸でつながりを見せたい」と気を引き締めた。 大舞台の初戦。エース森山を中心にテンポ良く、引き締まった守備で危なげない試合運びをしてみせた。森山の父晶文さん(42)は「このまま勝ち進んで日本一を目指してほしい」とエールを送った。 ◇威力増す力強い直球 森山陽一朗投手(3年) 八回途中まで2安打無失点、堂々のマウンドだった。カーブで緩急をつけながら、力強い直球は回が進むにつれ威力を増し、相手を追い込んだ。 この冬に取り組んだ「投げ込み練習」は、フォームを固めて安定感を生んだ要因の一つだ。10球1セットを早いテンポで投げ続け、休憩を挟みながら5~7セット取り組む。体力がつく上、下半身で体重移動を意識し続けたことで「直球の強さとキレ、制球力が増した」と成長を感じた。 「一人一人の打者に集中して抑える」という目標を憧れの初舞台で実行した。「良い感覚を次につなげたい。怖がらずにしっかり投げたい」。頼もしいエースが甲子園でチームを勝利に導いていく。【根本佳奈、浅野翔太郎】 ◇3年ぶりの生演奏 吹奏楽部44人が9曲披露 ○…アルプス席でのブラスバンドの生演奏が3年ぶりに復活し、吹奏楽部が奏でる軽快なメロディーが甲子園に響き渡った。練習の自粛により、大会2週間前からの特訓となったが、総勢44人が応援歌「サウスポー」や「パラダイス銀河」など計9曲を披露。部長でトランペット担当の丸一桜和(まるいちさわ)さん(17)は「迫力ある応援と演奏に憧れて入学した。甲子園でやっと披露できてうれしい。選手の支えになれるよう心がけた」と勝利を喜んだ。