ニッポン企業の生きる道 パナソニック復活への道筋【WBSクロス】
「改革は5合目」
こうした農業や太陽光などの環境関連事業は、実はまだ収益化が十分にできていません。現時点で収益貢献が期待されているのは、テスラなど自動車メーカーのEVに供給する車載電池、そして空調事業や家電事業です。特に車載電池は利益率の改善が課題になっています。 就任3年目の楠見社長ですが、復活に向けた改革の進捗は十合目のうち「まだ五合目」だと話していました。 楠見社長は去年11月、売上高1兆円を超えるグループ企業で、自動車関連製品を手がける「パナソニックオートモーティブシステムズ」をアメリカの投資ファンドに売却する決断をしました。パナソニックとしては過去最大の事業売却で、今後も必要に応じて事業の切り離しを行う方針です。当然グループの社員には緊張感があります。 一方で先月末にはパナソニックコネクトが傘下のアメリカ企業「ブルーヨンダー」を通じ、1000億円以上かけて「ワンネットワーク」の買収を行うと発表するなど、積極的なM&A戦略も活用する方針です。 こうした改革の方向性は見えてきていますが、パナソニックの株価はリーマン・ショック前の水準を回復できていません。 楠見社長にこうした市場の反応について聞くと「いら立ちはある」とはっきり語っていました。ただ結果を出すしかないとも認めていて、改革のスピード感が求められているのかもしれません。 ※ワールドビジネスサテライト