夫から独立したくてセラピストに「仕事復帰で夫への不満が解消されました」
専業主婦からセラピストになることを決意
そんな宮地さんがセラピストの道を目指したのは、38歳を目前に控えた2022年の年末でした。 「それまで美容に興味はなかったのですが、3人目を産んだ後に顔が崩れてきたので、何とかしたいと思っていろいろ調べてみて……。そこでセラピストスクールのことを知り、セラピストの方たちが楽しそうに活躍されているのを見て、『私もやってみたい!』と考えました。自分で使えるお金を増やしたいという思いもあったのですが、セラピストなら自宅で仕事ができるのもメリットでしたね」 すぐに入学を決めたという宮地さんですが、「スクールの入会金を払うときは足が震えました」と明かします。 「当時の入学金は88万円。お小遣い制の私にとっては大金です。夫に相談して反対されるのもイヤだったので、内緒で申し込みました(笑)」 スクールの受講期間は6か月。畑違いということもあり、宮地さんは期間を延長して1年間学びましたが、「最初は何を言っているのかぜんぜん理解できませんでした(笑)」と回顧します。そんな宮地さんを支えたのは、とある先輩セラピストの激励でした。 「私は人に頼るのが苦手です。それで『わからないことがあっても、助けてくださいと言えない性格なんです』と正直に打ち明けたところ、とある先輩が『自分もそうだったよ』と言ってくれて。『今は弱点を克服できたらから、あなたもきっと変われる』と励ましてくれたんですね。その言葉がうれしくて、今も私の支えになっています」
仕事に復帰して夫に感謝できるようになった
頼れる先生や先輩の指導もあり、40歳を前にセラピストの道を歩み始めた宮地さん。仕事を初めて1年半が経った今、営業日を月8日と決めて、月収20万円を稼いでいます。 「子育てを優先したいのと体力的な問題もあって、今は仕事量を抑えていますが、教員時代と比べると、収入はほとんど変わらないのに、自由に使える時間とお金が増えてとても充実しています。 それにセラピストとして働くようになって、安定してお金を稼ぐたいへんさを痛感しましたね。毎月きちんとお金を家に入れてくれていた夫に感謝できるようになり、夫へのモヤモヤはなくなりました。実は、今年4月に39歳で4人目の子供を出産したのですが、夫も以前よりも性格が丸くなって、育児や家事に積極的に協力してくれるようになりました」 宮地さんは、自分と同じような悩みを抱えている女性に、こうのようにアドバイスをおくります。 「夫婦関係、親子関係、仕事、お金……悩みの原因はいろいろあると思います。私の場合は夫婦関係でしたが、それを考えないようにしてお金の問題にすり替えていました。悩みに向き合うのはつらいと思いますが、悩みを直視したうえで一歩踏み出してみてください。悩みを解決したいという思いを持って一歩踏み出すことができたら、誰だって変わることができると思います」 <取材・文/黒田知道>
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