「言うことを聞かないから半殺しにしたった」 女児におぞましい凶行「勝田州彦」の父が語っていた息子への虐待
警察官の採用試験を受けて失敗
前述した09年の事件で出所した後、勝田容疑者は自傷がエスカレートして入院。「姫路事件」を起こす2カ月前のことだった。医師から行為を止められた勝田容疑者は、代わりに「他人を刺そうと思った」と法廷で証言している。少女へと向けた凶刃で、どす黒い性欲を満たしていたわけである。 「姫路事件」の公判を16年5月に傍聴した、元兵庫県警刑事の飛松五男氏が言う。 「たつの市や加古川の事件は、私の退職後に発生していますが、早期解決を願って常に関心を寄せてきました。一方で15年に『姫路事件』で勝田が逮捕されたことで、その手口などから残りの2件もこの男の犯行ではないか、と疑いを抱くに至ったのです。実際に、犯行当日の行動を振り返って淡々と証言する姿を目の当たりにし、その思いはいっそう強まりました」 公判では、高校卒業時に警察官の採用試験を受けて失敗したことや、実家を出てマンション暮らしをした時期があり、250万円のローンでワゴン車を購入していた事実など、勝田容疑者の身上が次々と明かされていったという。
父親は「半殺しにしたった」
先述の通り、家庭でのしつけが自傷行為、ひいては異常性癖へとつながっていったわけだが、 「勝田の父親は県警の先輩ですが、在職中に面識はありません。母親は私の在籍していた捜査1課の庶務係だったこともあります」 飛松氏はそう前置きしながら、 「私は津山事件で勝田が逮捕された直後に実家を訪問し、両親と対面したことがあります。まず父親に、家庭で虐待をしていたのかと問うたところ、『(州彦が)言うことを聞かないから半殺しにしたった』と認めていました。一方、中学校で勝田は、暴力を振るわれたり机に落書きをされたりといったいじめを受けていたのですが、父親は放置していたというのです」
母親は息子の異変に気付いていた?
また母親についても、 「体を傷つけて快楽にふける息子には気付いていた様子でした。というのも、息子の部屋で血を見ており、“栗の花の匂いがする”と私に明かしたのです。また加古川の事件が起きた後、警察が自宅を訪ねてきたことがあったといい、両親がそれとなく本人に聞いてみたものの、はっきり返事をしなかったという。それでも『やっていないと信じるしかなかった』と話していました」 そんな父も6年前、そして母はあとを追うように4年前、鬼籍に入ってしまったという。