年金受給の「最高額」はいくら?必要な年収の目安をあわせて解説
老後の年金受給額は、現役時代の保険料の納付期間や収入、厚生年金の加入期間などによって決まります。そのため、人によってもらえる額は異なり、夫婦でも差があります。 では、令和6年時点で年金受給の最高額はいくらになるのでしょうか。本記事では、年金受給の最高額と、最高額をもらうための年収目安について紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
年金受給の最高額はいくらなのか
年金は、会社員などの厚生年金加入者の場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金を足した金額が受給できる額です。ただし、それぞれ満額となる条件や金額が異なるため、ひとつずつ確認していきましょう。 ■令和6年度における老齢基礎年金の満額は81万6000円 老齢基礎年金(国民年金)は、20歳から60歳になるまでの40年間で、毎月保険料をすべて支払うと満額で受給できます。年金額は毎年改定されることとなっており、令和6年4月分からは81万6000円(月額6万8000円)です。 ■老齢厚生年金は加入期間に応じて満額が異なる 厚生年金の加入期間は原則として上限70歳まで、下限は特に指定がありません。そのため、「いつから働くか」「いつまで働くか」によって、満額受給額が異なります。 日本年金機構によれば、老齢厚生年金は本来「報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」で計算します。しかし、経過的加算と加給年金額はすべての人に該当するわけではないため、今回は報酬比例部分の最大を厚生年金の満額として計算します。 報酬比例部分は、老齢厚生年金などにおいて年金額の計算の基礎となるもので、加入期間が平成15年4月以降の場合、「平均標準報酬額×0.005481×加入月数」で求められます。平均標準報酬額は、「(標準報酬月額×加入月数+標準賞与額の総額)/加入月数」で算出可能です。 また、標準報酬月額は等級に分類されており、報酬月額(いわゆる月収に該当するもの)が63万5000円以上で、最も高い32等級となります。32等級の場合の標準報酬月額は65万円です。 さらに、標準賞与額は、実際の税引き前の賞与の額から1000円未満の端数を切り捨てたものです。1回の賞与につき上限150万円、年3回までと設定されているため、最高額は年間450万円です。なお、年4回以上支給される賞与については、標準報酬月額の対象となる報酬とされます。 ■16歳から70歳まで最高額の保険料を支払った場合の老齢厚生年金 上記を踏まえ、以下の条件の場合で老齢厚生年金の上限額を算出します。 ●16~70歳まで厚生年金に加入(648ヶ月) ●厚生年金の加入期間はすべて平成15年4月以降 ●標準報酬月額は65万円 ●標準賞与額は150万円を年3回(年450万円) 上記の条件だと、以下のような計算となります。 ●平均標準報酬額:(65万円×648ヶ月+450万円×54年)/648ヶ月=102万5000円 ●報酬比例部分:102万5000円×0.005481×648ヶ月=約364万480円 老齢基礎年金と老齢厚生年金を合算すると、上記条件の場合の令和6年時点の年金受給の最高額は約445万6480円です。この場合、1ヶ月当たりの年金は約37万1373円となります。