甲子園目指す弟に“自作”を贈る兄も…野球のグローブ直す「再生工場」球児たちのために技磨く職人達の想い
芝山さん: 「弟がああやって試合に出ていると、僕ももっと頑張らないとってなりますね。最後の1年は、僕が作ったグローブで頑張ってほしいという思いがあります」 芝山さんは、グローブを作るのは初めてだといいますが、デビュー作は弟への誕生日プレゼントとして、ファーストミットを作ることを約束していました。 グローブ作りに必要なおよそ20種類のパーツを、縫い合わせて作っていきます。
芝山さん: 「弟がピンクの糸がいいって言っていたので、ピンク色で縫製の方やっていきます。今、高校生の中で糸の色がピンクというのが流行っているらしくて」
甲子園を目指す弟への、精一杯のエールの気持ちをミットに込めます。 きれいに縫製も進んでいましたが、作業を始めて7日目、紐を通すための穴まで縫ってしまうミス。
その後も苦難の連続で、先輩の職人も手を貸そうかと声をかけますが、芝山さんは意地でも自分の力で完成させようと意気込みます。
グローブ作りはこの日、深夜にまで及びました。
■弟も満面の笑み…グローブ再生工場のこれからの夢は
そして8月2日、芝山さんは「やまもとベース」で、弟の博翔さんに手作りのファーストミットをプレゼントしました。
受け取った博翔さんも満面の笑みです。
芝山さんの弟 博翔さん: 「いい感じやね。握った感触が最高です。めちゃめちゃカッコいいです」 弟の甲子園出場への願いを込め、完成させたファーストミット。
芝山さん: 「初めての割りにはいい感じにできたのではないかな。やっぱり喜んでもらえたのが一番うれしいですね」 野球を愛する球児たちのために。工房を立ち上げた山本さんにも夢がありました。 山本さん: 「最終的には地元の(松阪市)飯南町が発祥って言われている、松阪牛の革を使ってグローブ作るっていう夢。地元の革を使って、地元の子が地元の選手のために出したグローブっていう感じでやりたいですね」
いつか三重県産のグローブを作り、故郷の選手に夢を掴んでもらいたい。山本さんたちの想いは、球児たちの夢へとつながります。 2024年8月7日放送