女性が輝く社会へ「あなたはあなたでいい」と伝えるブランド ケイト・スペード ジャパンの思い 伝統と革新
1993年、米ニューヨークで、若き女性起業家が、自らの名をつけ、アイデアを形にしたファッションブランドだ。「JOY COLORS LIFE(喜びが人生を彩る)」を指針とし、20代から30代前半の女性を主なターゲットに、色彩豊かで大胆な発想のハンドバッグや衣服、ジュエリーやシューズなど、毎日の生活が楽しくなるようなアイテムを提案している。 【写真】カルティエが描く女性のこれから「ともに生き、ともに輝く未来へ」 伝統と革新 ケイト・スペード ジャパン社長の柳澤綾子さんは「普通の女の子、女性たちの人生をファッションを通じて応援したい、カラフルにしたい、という気持ちを大事にしています」と話す。 その思いは取り組みにも一貫している。同ブランドは創業以来、世界中の女性たちのメンタルヘルスの向上を支援する活動を続けてきた。 ■ルワンダで10年以上、社会的企業として女性を支援 2013年から、社会的企業としての取り組み「オン・パーパス」を開始。東アフリカのルワンダで、内戦で心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを負った女性たちのメンタルヘルスの改善を支援。同国のハンドバッグやアクセサリーの製造拠点「アバヒズィ・ルワンダ」の設立を援助した。物心両面からの支えを、女性の自立や社会参画につなげ、現地共同体の再生と発展を後押ししている。 80万人以上が命を奪われた内戦の影響で、家計簿のつけ方や栄養バランスの良い食事の取り方など、日常生活に必要な知識(ライフスキル)を学ぶ機会がなかった人も少なくない。アバヒズィでは、メンタルヘルスを改善する取り組みのほか、勤務時間のうち、約1時間をライフスキルの訓練に充てている。 柳澤さんも昨年7月、アバヒズィを訪問。「自己肯定感を高めるメンタルヘルスのトレーニングが、毎日元気に仕事をする活力につながり、意欲や力を引き出すことが分かりました」と力を込める。 ■世界とつながる日本の女性、さらに輝いて 2022年には、世界的な活動の強化に向け、各国の発言力のある女性たちを集めたグループ「ソーシャルインパクト・カウンシル」を創設。日本も含めて10万人以上の女性たちへ、必要な支援を届けるとしている。 柳澤さんは活動を通じ、日本の女性が世界とつながって、さまざまな価値観や知識を吸収し、輝きを増していく姿を目の当たりにしたという。「企業やブランドが、私たちの顧客でもある若い女性たちを支援することは、とても大事なことだと思います」とほほ笑んだ。