人気コート13種類を旬なコーデと共に紹介!
メンズコートの種類③「トレンチコート」
映画「ブリット」のスティーブ・マックイーンや「カサブランカ」のハンフリー・ボガート、アニメ「ルパン三世」の銭形警部など、渋くダンディな男たちが愛用するコートとして認識されることが多い「トレンチコート」。今でこそ探偵や刑事が着用している印象が強いが、もともとは英国軍に向けて開発された防水型軍用コートをルーツに持つ伝統的なアウターだ。ちなみに“トレンチ”とは「塹壕(ざんごう)」の意味で、銃撃や砲撃から身を守るために掘られた溝のことを指す。そんなミリタリー由来のコートを、ファッションアイテムとして1930年代にバーバリーやアクアスキュータムなどのブランドがブラッシュアップしたとされている。春秋アウターとしてのイメージが強いが、ライナー付きであったりウール仕立てのものであれば冬でも主力として活躍するアウターだ。 編集部 橘「トレンチコートはミリタリー由来のコートならではの、多様な語れるディテールを備えているのが魅力。「防水加工を施したコットンギャバジン生地」「エポーレット」「スロートラッチ」「ガンフラップ」「ストームシールド」「Dカン付きのウエストベルト」「インパーテッドプリーツ」「ラグランスリーブ」など。クラシックなトレンチコートであれば、着衣したまま内側に着たジャケットのポケットに手が届くようスリットがあしらわれたポケットを備えたものも存在します。現代では、デコラティブなディテールを削ぎ落としたミニマルなデザインやオーバーサイズ、パッチワーク、グラフィックプリントなど様々なアレンジが施されたトレンチコートが多くのブランドからローンチされています。」
メンズコートの種類④「モッズコート(M-51)」
1950年代にアメリカ陸軍で採用された防寒軍用パーカM-51、通称「モッズコート」。1960年代のイギリスにおいて、細身のスリーピーススーツに米国払い下げのM-51を羽織ったモッズたち(イギリスの若い労働者)にちなんで日本のメディアが「モッズコート」と呼び始めたのが現在の名称の始まりだ。モッズコート最大の特徴は、後ろの裾が燕尾状に先割れし、ヘムにドローコードを施したフィッシュテール。このデザインにより欧米ではフィッシュテールパーカと呼ばれることもある。素材は基本的にオリーブグリーン色の薄手のコットンナイロンか厚手のコットンツイル。アタッチメントとしてウールパイル地の防寒ライナーとファーでトリミングされた防寒フードを装着できる仕様になっている。 編集部 橘「現在、モッズコートはミリタリー由来の男らしい雰囲気を演出するファッションアウターとしての地位を確立しているイメージがあります。アパレルブランドから展開されているデザイン性の高いアイテムも良いですが、サープラス品を扱う古着屋などでデッドストックやヴィンテージを探して、本格アウターをあえてタウンユースしてみるのも格好良いと思います。」