運動後のカラダのケア。漢方的には「流す・伸ばす」に注目(漢方薬剤師・鹿島絵里さん)
気血水を「流す・伸ばす」で整える
漢方の原則で言えば大事なのは巡らせること。つまり「流す」こと。運動後のセルフケアとして、押したり揉んだりしながらマッサージされている方は多いと思います。ですが「流す」は意識しているでしょうか。 マッサージするのであれば、部分的にぐいぐい力を加えるよりも、心地よいと感じられるカラダの流れをたどって優しく流してあげましょう。詰まりを解消して気血水の通り道を復旧させることが狙いです。 指や手のひら、専用のローラーやボールを使うのもいいですね。 また、触れてケアすることが難しい場所は良く「伸ばす」こと。硬くて動きの悪い関節も引っ張るように伸ばすことで、気血水の流れを整えることができます。もちろん、無理のない範囲で。 ちょっと意外かもしれませんが、デスクワークなどで同じ姿勢をとり続けたときも運動をしたと見なすことができます。肩や首など、部分的に筋肉を酷使したととらえれば、運動と同じこと。流す・伸ばすのケアが有効です。
生理痛や片頭痛にも効果的
ケガ、疲労、痛みは巡りの悪いところにやってきます。アクティビティの後にはカラダのケアをすることまで、予めプランに入れておきましょう。やわらかい筋肉や関節が養われていると、運動に伴う故障から身を守れるだけでなく、意外にも生理痛や片頭痛などの悩みからも解放されることがあります。 繰り返しになりますが、運動は巡りの悪さを生んでしまうことがあります。きちんとケアすることを覚えておいてくださいね。予防できるトラブルはしっかり予防して、これからの季節を思いっきり楽しんでほしいと思います! さて、「漢方で作るヘルシーボディ」も、今回が最終稿となりました。拙い文章にもかかわらず読んでくださった読者の方々に、心より御礼申し上げます。 どうもありがとうございました。