人質222人の安否不明、家族ら「戦闘より人質の解放を」 イスラエル軍の地上部隊、ガザ地区に侵入し“限定的な急襲”…人質の捜索も
パレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻に向けて緊張が高まる中、イスラエル・テルアビブから橋本雅之記者が最新情報を伝えます。 ◇◇◇ いま私がいるのは、ガザ地区から北に約60キロの場所です。奥に見える白い建物がイスラエル軍の司令部で、その前では、ハマスによってガザ地区に連れ去られた人質の家族らが連日、解放を求める抗議デモを続けています。 人質の数は222人に上っていますが、その安否はわかっていません。中には高齢者や幼い子どもたちもたくさんいます。その解放を願う訴えがいまも続けられています。 ハマスとの戦闘と人質の解放、イスラエルは難しい局面を迎えています。人質の家族の皆さんに話を聞くと、やはり今は「ハマスとの戦闘より人質の解放を優先すべきだ」との声が非常に強いです。また、イスラエル国内の世論調査では、人質解放のためにイスラエル軍の軍事力を制限すべきかという質問に対し、24%が「賛成」と答えています。 こうした中、イスラエル軍は23日、ガザ地区の中に地上部隊を侵入させ、限定的な急襲を実施したことを明らかにしました。その作戦では、人質の捜索も行われたということです。 国内外から人質の保護を優先すべきとの声が高まる中、イスラエル軍は、人質解放に向けて具体的な行動をとっていることをアピールするなど、地上侵攻に向けた地ならしを進めています。 ただ、ハマスは、人質を“人間の盾”として利用しますから、イスラエル軍としては非常に難しいオペレーションを求められています。