開幕2日後に急逝「会長の渾身作見てほしい」 水墨画を楽しむ会の作品展
京都府福知山市土師宮町の水墨画を楽しむ会会長、芦田哲司さんが10月5日に83歳で亡くなった。亡くなる2日前に始まった市治水記念館(下柳町)での水墨画展で、会員10人の力作とともに、芦田さんが魂をこめた渾身の作品が展示されている。11月4日まで。 町家を改装した記念館での楽しむ会による水墨画展は初めて。町家の雰囲気に合った展示となるよう、芦田会長が何度も記念館に足を運び、準備を進めてきた。 水墨画展が始まってからも訪れ、来館者の対応をした。5日も夕方に顔を見せたが、帰宅後不調を訴え急逝した。 同展には24点が並び、このうち芦田会長は3点を出展している。得意とする雪景色の中のかやぶき屋根の民家を描いた水墨画も展示。余白を生かした作品で、モノトーンの世界観が訪れた人たちの心を震わせている。 芦田会長は月2回、駅前町の市民交流プラザで会員たちに水墨画の技術を指導してきた。突然の訃報に会員たちは悲しみにくれている。 会の中でも長く所属する会員、伊東雅子さん(菱屋町)は「教室では自由な発想で、好きなものを描くように指導を受けました。優しい教え方で、のびのびと教わることができました。芦田会長の作品はどれも素晴らしいので、ぜひ多くの人たちに鑑賞していただければありがたい」と来館を呼びかけている。 開催時間は午前10時から午後5時まで。記念館は月、火曜休み。入館無料。