【オータムリーグレポート】小学校の時から存在を知る相手を抑え、東海大の勝利に大きく貢献したハーパー
白鴎大撃破を浮上のきっかけにしたい専修大
「本当に一番自分たちがやりたいこととか、私が求めていることというのが、40分しっかりやり通せたベストゲームだったかなと思います」
専修大の佐々木優一コーチは、8日に6勝1敗で首位だった白鴎大を80対67で勝利した試合をこう振り返る。試合序盤から市場脩斗と浅野ケニーの4年生が軸となり、フィジカルの強い相手に対してリバウンド争いとハッスルプレーで優勢になり、セカンドチャンスを得点に結びつけられたことで主導権を握ることができた。
強靭な体格を持つ留学生のモンガ・バンザ・ジョエルに対しては、マッチアップする浅野と介川アンソニー翔をヘルプしながら、粘り強くチーム・ディフェンスを継続できたことで、5点に抑えることに成功。オフェンスに目を向けると、ボールのないところからペイント内へのカットで得点するシーンが何度も見られるなど、ボールと選手の動きが見事に連動していた。
留学生不在の中で今年のオータムリーグを戦うことになったが、佐々木コーチが「今シーズン始まってからやっていたバスケットから形を変えざるを得ないような状況の中で、リーグ戦を戦うごとに少しずつ積み重ねていって形になっているという実感がありました」と語ったように、浅野が26点、市場が20点、介川が14点をオフェンスを牽引しただけでなく、松野遥弥がベンチから出てきて3P2本の6点、5リバウンド、4アシストと攻防両面でステップ。70点未満に抑えたのが5試合を数える白鴎大から80点を奪っての勝利は、専修大にとっては大きな意味があった。
「今日は本当に集中していて、ゲーム中でも私の指示にしっかり耳を傾け、(相手に)読まれている時に“次の対応をこうしよう”というように、それぞれの役割を選手たち自身が意識して遂行してくれました」
選手たちをこう称賛した佐々木コーチは、白鴎大戦のパフォーマンスをベースにチームがよりレベルアップすることを期待している。浅野がFIBA 3x3 U23 ワールドカップ2024に日本代表として出場するため、専修大にとって次の神奈川大戦が21日に変更された。上位校との差を広げられないことと、白鴎大戦の勝利がまぐれでないことを証明する意味でも、ビッグゲームになるのは間違いない。
文:青木崇
青木 崇