「マックスマーラ」がベネチアで25年リゾートを発表 荘厳なドゥカーレ宮殿を会場に
イアンはまた、「ラグジュアリーとは?」の考えを深めるのにもベネチアは最適だったと言う。「ベネチアは、イタリアのラグジュアリービジネスが始まったとされている場所。ラグジュアリーについて歴史的観点からじっくりと考察したいとき、ベネチアに勝る場所はないと思う。私にとっては美しく魅力的な素材やアイテムに囲まれたいというラグジュアリーへの欲望は不変的なものだと気づかせてくれる場所でもある」と話している。
服をデザインにあたり、より具体的にイアンの着想源となったのはベネチアの建築物だ。街の建物に使用されているベネチアの石は、まさに「マックスマーラ」の特徴でもあるニュートラルカラーやベリーニの絵画に見られるようなニュアンスカラーである。また尖ったアーチや細かい透かし彫りなど、ベネチアのゴシック建築の特徴的なスタイルは、東洋と⻄洋のモチーフを組み合わせたもの。これらのモチーフがブロケードやジャカード織、プリントで採用された。
このようにコレクションには文化的要素を多く含むが、それぞれのアイテムはシンプルに美しく、着心地が良さげだ。人気のモコモコ素材“テディベア”はスポーティなブルゾンとして登場した。「マックスマーラ」といえばコートへの言及が欠かせないが、今季はカシミアやアルパカといった上質素材を使い、サルトリアの技術を活かした「マックスマーラ アトリエ」からも数ルックがショーに登場。コートを知り尽くすラウラ・ルスアルディ(Laura Lusuardi)「マックスマーラ」ファッションコーディネーターのこだわりがイアンのスタイルと融合していた。
ローラも来場。ヴェネツィアの街も散策
マルコ・ポーロは実は、「初期のフェミニスト」としても知られており、長期にわたる貿易任務中、女性に重要な職務を委ねたと言う。そういった意味でも“ウーマンエンパワメント”を掲げている「マックスマーラ」とは相性が良い。ショー当日は、ケイト・ハドソンなど各国から俳優やインフルエンサーが姿を見せた。日本からはローラ(Rola)が出席し、カシミアのセットアップ姿を披露した。ローラもジャーナリストたちと同様に数日間、ベネチアの街に滞在し、歴史ある街並みを背景に「マックスマーラ」の着こなしを披露した。