「裏金議員よりも明らかに”大問題”」…自民党が誤解している”支持率激減”の「最大の要因」
必要なのは、家計を助ける政策
エミン:世界のFX(外国為替証拠金取引)の3分の1は日本人のお金だといわれています。「ドル円」の取引額は、「ユーロドル」に次ぐ世界2位。 私は為替のストラテジストでもあるので、ボラティリティが高くなると仕事がたくさん来るのでありがたい。でも、私は日本国籍だから、ドル円が大きく円安に振れるのを見るのはつらい。 感情的な面だけでなく、日本に住む人にとって、円安は家計を直撃する。これだけドル円のボラティリティが高いと、多くの日本人は生活が苦しくなると思います。 2023年11月に自民党の裏金問題が浮上し、岸田政権の支持率が大きく低下しました。ただ、支持率低下の理由は、裏金問題そのものではなく、円安インフレで生活が苦しくなったことにあると思います。 永濱:私もそう思います。岸田さんは「支持率低下は裏金問題のせい」と思っているかもしれませんが、それは誤解でしょう。負担増の影響のほうがよほど大きいと思います。 実質賃金は4月の時点で25ヵ月もマイナスが続いています。つまり賃金上昇がインフレに負けているのです。家計はますます疲弊し、消費拡大どころではありません。 しかしながら、岸田政権は一時的な定額減税以外あまり家計を助ける政策をやっていません。むしろ再エネ賦課金の引き上げや電気・ガス料金の負担軽減終了、子育て支援金などといった名目で負担増の話ばかりが出てきています。国民の不満の理由はここにあると思います。 『「円安」がずっと続いているのはこれが原因だった!…エミン・ユルマズ氏が明かす、とてもカンタンな「仕組み」』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ