任命拒否問題の「学問の自由」への影響 学術会議の現時点の見解は?
日本学術会議の新会員候補のうち菅義偉(よしひで)首相が6人の任命を見送った問題に関し、日本学術会議は29日、記者会見した。メディア報道やSNS上で「学問の自由への侵害」だとの批判が出ていることに対し、第一部幹事の小林傳司(ただし)大阪大学名誉教授は「学問の自由そのものにダイレクトに関係しているかという論点は、少なくとも学術会議としては言っていない」と慎重に語った。 【動画】日本学術会議、任命拒否は「青天のへきれき」梶田会長ら会見
「無関係だとは思わない」
同会議の幹事会後の会見で記者からの質問に答え、現時点では「6人の任命を見送った理由を明らかにしてほしい。それが明らかにならないと、それがどういう意味で学問に影響するか詳らかにならない」と述べた。 小林氏はさらに「学問の自由とはもっと複雑な概念で、そう簡単に論じれるものではない」と指摘。任命拒否問題が学問の自由に与える影響について「直接の答えは差し替えたい」としたものの、「無関係だとは思わない」とも付け加えた。