<目指せ頂点・21センバツ敦賀気比>選手癒やす小さな友 小哲(柴犬)、ねこ吉(野良猫) 練習の励み /福井
19日に開幕する第93回選抜高校野球大会に向け、練習に取り組む敦賀気比の選手たちを和ませる存在がいる。同校野球場(敦賀市沓見)敷地内の監督室で飼われている柴犬「小哲」と、野球場周辺に住み着く野良猫「ねこ吉」だ。 小哲は2019年12月に生まれたオスの柴犬。20年1月に東哲平監督が知人から譲り受けた。「選手の癒やしになれば」と監督室で飼い始め、自身の名前から1字取って名付けた。 普段は監督室のゲージ内でおとなしく寝ているが、人が近寄ると「頭をなでて」と言わんばかりにゲージの端に頭を寄せてくる。主に東監督と川下竜世コーチが散歩に連れていき、敦賀湾に面する地元の景勝地「気比の松原」を散歩することも。ドッグフード以外にもたまに食べる納豆ご飯が好物だという。 選手でよく世話をするのは、1年生の大味悠人投手。犬が好きで、練習の合間によく野球場周辺を小哲と散歩する。大味投手は「ゲージの外に出すと元気よく走り出す。選手たちは小哲と接すると癒やされ、元気をもらっている」と笑顔を見せる。 ねこ吉は昨年11月ごろから野球場に現れるようになり、監督やコーチらが餌をあげてかわいがっているうちに居着いた。部員らが野球場に着くとどこからともなく姿を現し、足元をうろつく。選手らは「練習は大変だが、ねこ吉と接する時間はつかの間の休息になる」と話す。実はメスだが、「ねこ吉」というオスのような呼び名が部内で広まり、そのまま定着した。 センバツの大会期間中、2匹は野球場で留守番。日帰りで阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)に通う川下コーチや一部の1年生らが世話をする予定だ。選手たちの活躍を、小哲とねこ吉も地元・敦賀から願っている。【大原翔】