甲子園で話題の白スパイク なぜ、このタイミング?評判は? センバツ交流試合
テレビ中継を見て、気づいた人もいるだろう。10日に開幕した2020年甲子園高校野球交流試合で、白色のスパイクを使用する高校が登場したのだ。これまで黒一色だった高校球児の足元が、白で涼しげに見える。なぜ、このタイミングで登場したのか。選手や監督の評判は。 【写真】流行り??話題の白スパイク 白スパイクを履いたトップバッターは、第1日(10日)の第2試合に登場した明徳義塾(高知)だった。甲子園大会の出場回数は春19回、夏20回を誇る強豪は、1点を追う九回に4番の一打で逆転サヨナラ勝ち。馬淵史郎監督は「この年(64歳)になっても、サヨナラはうれしい」と勝った瞬間、大きなガッツポーズを見せた。 従来、日本高校野球連盟はスパイクの色について、黒しか認めていなかった。近年は夏の猛暑が続いている。高野連は熱中症対策として、黒より温度が上がりにくいとされる白を認めた。今年3月から白を解禁したものの、今春の選抜大会と今夏の選手権大会が中止となったため、甲子園でのお披露目は交流試合になった。 第2日(11日)には「白白」対決も実現。第2試合の創成館(長崎)と平田(島根)は、両チームとも白スパイクを履いてプレーした。これまで登場した10校中半数の5校が白スパイクだ。 実際に使用した選手や監督の評判はどうか。2番で出場した創成館の松尾力基遊撃手(3年)は「(暑さが)全然違います。足がつる人は少ないと思う」と話した。平田の植田悟監督も「スポーツ店の人から靴の中の温度が10度ぐらい違うと言われた」と語り、軽くて涼しく感じるという。 暑さ軽減以外にも、思わぬ副産物もあるようだ。創成館の稙田龍生監督は「足が速く見えると思った」と白を使用した理由を明かす。狙い通りか、平田との試合ではチームで計4盗塁をマークし、白星を挙げた。今後出場する高校では智弁和歌山や大阪桐蔭も独自大会で白スパイクを使用しており、交流試合でも使う予定という。【藤田健志】