国民民主党の支持率8倍増で10.1%に…20代の支持最多で与党と野党の間“ゆ党”姿勢への期待65%【FNN世論調査】
「玉木雄一郎 総理大臣」の可能性は
国会では、11日に開かれる特別国会で、衆院選での議員入れ替えを受けた総理大臣指名選挙が行われる。いずれも過半数の議席を持つ勢力がないため、自民・立憲の国民民主をめぐる綱引きの第一ラウンドとなる。これに対し玉木代表は、総理大臣指名で国民民主党は「玉木雄一郎と書く」としている。 次の総理にふさわしい人は誰なのか、世論調査で聞いたところ「自民石破総裁」46.1%、「立憲野田代表」17.4%、「国民玉木代表」10.2%、「維新馬場代表2.7%」となった。 図:首相指名選挙 ふさわしい人 【首相指名選挙 ふさわしい人】 自民・石破総裁 46.1% 立憲・野田代表 17.4% 国民・玉木代表 10.2% 維新・馬場代表 2.7% 立憲野田代表、国民玉木代表とも、政党支持率に近い数字となった一方、自民石破総裁がふさわしいとする声が突出する結果となった。別の質問で、与党が過半数割れした選挙結果を受けて、石破氏が総理を続投してよいか、交代するべきかを聞いた質問でも「続投して良い」55.3%、「交代するべき」36.5%と、世論は石破政権続投の声が高い結果となった。 実際、首相指名選挙の見通しも、1回目の投票では過半数を得る候補がおらず、議員数の多い順に、自民石破総裁、立憲野田代表の1位、2位による決選投票の結果、石破首相が選出される見通しが濃厚だ。 【石破茂首相は続投か交代か】 続投して良い 55.3% 交代するべき 36.5% ここで、玉木代表の言う、総理大臣には「玉木雄一郎と書く」との立場について、国民民主党支持層で見てみると、首相指名選挙でふさわしい人「玉木代表」49.3%、「石破総裁」33.2%、「立憲野田代表」5.6%、「維新馬場代表」0.0%、その他、となり躍進した国民民主党支持層の中でも、「玉木総理」を押す声は半分にとどまった。 【首相指名選挙 ふさわしい人 国民民主支持層】 国民玉木代表 49.3% 自民石破総裁 33.2% 立憲野田代表 5.6% 維新馬場代表 0.0% 国民民主党が「玉木雄一郎」と書くことの、意味合いは、国民民主党は、自民党総裁とも、立憲民主党代表とも“多数派工作はしない”という立場を鮮明にすることにある。 玉木代表は選挙後「最も欲しいのは、ポストではなく政策実現」と繰り返し述べている。自公+国民で過半数勢力を形成した場合、玉木代表は閣僚での処遇などが得られるが、選挙で掲げた「103万円の壁引き上げ」やガソリン値下げにつながる「トリガー条項の凍結解除」などに自民党が応じる優先度が下がる。 同じく、立憲民主党と連立すれば、政権交代が実現し、閣僚ポストにつくことができるが、安全保障政策など、立憲民主党との政策立場の違いに目をつむっての連立継続となることが見通される。 そこで「玉木雄一郎」と書くことで、政策ごとに、自民党、立憲と等距離を保ち、政策ごとに国民が賛成する立場に投票し、衆院で法案を通過させるという狙いとなる。 こうした状況は、来年夏に予定される参議院まで続くとみられる。「ゆ」党として国民民主党が、有権者の望む政策を課題ごとに実現するのか、そうではなく、過半数勢力がないことで「決められない国会」の政争に陥るのか、この半年の政策決定をみて、有権者の判断が参院選で改めて下されることになる。
西垣壮一郎