「暗闇のなか、ひたすら走り続けた」サッカー元日本代表・細貝萌が味わった“地獄”「リハビリで午前3時になることも」「自分との戦いでした」
群馬に帰ってきて良かった
大槻毅監督が契約解除となり武藤覚コーチが昇格すると、5月26日のブラウブリッツ秋田戦で今季初めてベンチ入りを果たす。そして7月7日の愛媛FC戦、続く13日の鹿児島ユナイテッド戦において終盤での起用ながら2試合続けて出場を果たした。細貝のせめてもの意地だった。ザスパは今季、3勝9分け26敗の勝ち点24にとどまり、最下位でJ3降格が決定した。勝利した3試合のうち2試合は細貝がベンチ入りし、終盤とはいえ出場している。彼がベンチ入りした試合は2勝2分け3敗。存在感を含めてチームの力になっていたことは明らかであった。 強くて冷たい風を一身に受けても、細貝は屈しなかった。 徳島戦の後のスピーチで、涙をこらえながら彼はサポーターを前に言った。 <本当に群馬に帰ってきて良かったと思っています> スタンドから大きな、大きな拍手が彼に降り注ぐ。上州の夜風がどこか優しく細貝萌の頬を撫でていた。 <続く>
(「サムライブルーの原材料」二宮寿朗 = 文)
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