金蘭会(大阪代表)・夢の3冠へ ── サオリン以上とも、東京五輪の星・宮部藍梨が春高を駆ける
高校バレーの日本一決定戦!「春の高校バレー」(第67回全日本バレーボール高校選手権大会)が5日、東京体育館で開幕。男女ともに“高校3冠(インターハイ、国体、春高)”がかかる今大会、女子でその偉業に挑むのが大阪代表の金蘭会(大阪市北区)だ。
日本一への思いを込めたスローガンは「Top of JAPAN」
「Top of JAPAN」。日本一への思いを込めて決めたというスローガン。春高ではまだ一度もその「日本の頂点」に立っていない。 3つの全国大会の中でも特別の思いがあると口を揃える春高は、3年生にとっては最後の大舞台。「一緒に3冠を取って3年生に恩返ししたい。春高ではバックアタックを打ちます」と東京五輪の星でアジアユースMVPの1年生エース宮部(藍梨)も意気込む。 夢の3冠へ。拾って繋ぐ粘りのバレーに加え、攻撃でも新たな武器を備えた“新しい金蘭会”が春高の「一瞬を駆け抜ける」。
モットーは「拾ってつなぐ粘りのバレー」
全国大会ベスト4・ベスト8止まりだった金蘭会が2014年、一気に開花した。インターハイ、国体で初優勝。近畿内でも近畿大会、春高予選を勝ち、春高バレー本戦でも優勝候補の筆頭との声が上がる。 そんな金蘭会だが、実は歴史はまだ浅く、本腰を入れて強化に乗り出したのは2007年。南寝屋川高の監督としてチームを全国大会に導いてきた池条義則監督が赴任してからだ。南寝屋川高といえば(現在は統合され緑風冠高になっているが)、16歳で全日本に選ばれ春高を沸かせた中野由紀選手の母校として覚えのある人もいるだろう。 強化開始後もしばらくは“全国”が遠く、春高予選に出場するもベスト8止まり。初めて出場権を手にできたのは5年後の2012年の春高だった。その初出場の春高はベスト16、その後も連続出場しているが、2013年は1回戦敗退、2014年はベスト8と、春高に関しては、まだ「センターコート」までたどりついていない。 しかし、インターハイと国体を制して迎える4度目の今回はむろん第1シード。ユースやジュニアで不在だったメンバーも戻り、全員そろって戦う。これまでとは違う。 金蘭バレーのモットーは「拾ってつなぐ粘りのバレー」。インターハイに向けては、そのレシーブをさらに強化した。キャプテンでセッターの堀込(奈央)、リベロの小池(杏菜)の3年生コンビが中心となり、レシーブやつなぎの練習を重ね、諦めない“ディフェンス”という軸、「第1のギア」(池条監督)を作り上げた。全日本に選ばれた古賀(紗理那)のいる熊本信愛女学院と対戦した決勝でもつなぎのバレーが功を奏し、攻守がかみ合い初優勝。まず1冠を手にした。 インターハイ後はブロック。レシーブとブロックの関係も詰めた。国体ではその成果が出て、ユースで1年生2人(宮部と島田美紅)を欠きながらも、準決勝、決勝と3-2で粘り勝ち、(単独)初優勝。2冠を達成した。