日本一“死ね”と言われてるかもしれない--誰よりもクズで自由な46歳、クロちゃんの「モンスター」メンタル
そこでクロちゃんがたどり着いたのが「何でも人のせいにする」という徹底した他責的思考である。どんなときにも絶対に自分は悪くないと思い込み、他人に責任をなすりつける。聞こえは悪いが、自分で自分を責める自責的思考のループに陥るよりは健全といえなくもない。 「普通の状態のときなら何とか自分を保てるかもしれないですけど、心の余裕がなかったり体調が悪かったりすると、落ち込みまくって元に戻るのが結構大変だったりする。そういうときは人のせいにした方がいいと思うんですよね。まあ、僕は体調良くても人のせいにしますけど」
日本で一番「死ね」と言われて
さらに、SNSで日常的に罵倒を浴びせられてもそれをものともしないのは、一方的に落ち込むだけでは損をする、という一風変わった損得勘定の原理に基づいている。転んでもただでは起きず、嫌な出来事も決してそのままで終わらせない。 「『歩いて帰る』とツイートしてから実はタクシーに乗っていたとか、ただそれだけのことで国際指名手配されたのかなっていうぐらい大炎上したんです。僕が日本で一番『死ね』って言われてるかもしれない。でも、このままやられっぱなしだと損するから、ここからどうすれば得をするんだろうって考えたんですよね。そのとき、いま叩いている人も僕のことを意識しているっていうことだから、あとからひっくり返って好きになる可能性もあるなと思ったんです。だから、ひっくり返るまで待つことにしました」 その瞬間は意外と早く訪れた。2021年7月、クロちゃんが新型コロナウイルスに感染して、SNSの更新をしばらく休止していたところ、普段は彼を叩いている人たちから「クロちゃんのアホなツイートが読めないと、それはそれで寂しいな」「早く万全の体調に戻して、憎まれ口を叩いてくれ」といった激励の言葉が届いたのだ。 「そういう書き込みを見たときに嬉しかった半面、そういうふうに思わせてしまうのはダメだな、早く元気になろう、って思いましたね。でも、元気になった後で僕がツイッターを再開したら、それまでの5倍ぐらいの熱量の悪口が一気に届きましたけどね」