米国でZ世代向けフレグランスが活況 先鋭的なコンセプトの5ブランドを紹介
開発の原点となったのは、自身が母親になったこと。香水には子供に有害な成分が含まれている可能性があることを知り、10年間香水を使用しなかったファイファー創設者は、それでも状況が変わらず「もう自分で作るしかないと思った」という。持続可能性にもコミットし、循環型のプロダクトデザインには再利用できない素材を一切使わず、ボトルは使用後100%リサイクル可能な素材を採用。購入者にも使用後の分別やリサイクルを呼びかけている。
高い安全性と高品質な香りを追求した同ブランドは、ファインフレグランス12種(各50mL、各120ドル=約1万9000円/各8mL、各35ドル=約5600円)とボディーケア、キャンドルを取り扱い、若い世代から人気を集めている。
バイオテクノロジーの力で絶滅した花の香りを再現
「フューチャー ソサエティ(FUTURE SOCIETY)」は、マサチューセッツ工科大学(MIT)で化学と生物工学の学位を取得した科学者でもあるジャスミナ・アガノヴィック(Jasmina Aganovic)創設者が昨年10月に立ち上げた。香料とは一般的にローズ、ジャスミンといった花の成分から採取されるものだが、同社はサイエンスの力で絶滅した花の香りを甦らせ、唯一無二の香りを生み出しているのが特徴だ。
アガノヴィック創設者は米「フォーブス(FORBES)」誌のインタビューで、「バイオテクノロジーとクリエイティビティーを融合することで、業界に革新をもたらしたいと考えた。絶滅した花を復活させることはできないが、科学と感情を結びつけることで、これまで不可能だったものが可能になる」と語っている。
ハーバード大学標本館から100~200年以上前に絶滅した花のサンプルを抽出し、花のDNAコードを解析したのち、発酵プロセスによる培養で香りの分子を生成。その分子から調香師とともに花の香りを再現し、合成原料と天然原料、生物工学を掛け合わせて6種の香水が誕生した。フレグランス業界の新たな未来を感じさせる幻想的なデザインのボトルに、化石を思わせる形状の100%リサイクル可能なキャップが付属する。