ツアー史上初の年間3度目の大会ノーボギー2位 山下美夢有は「悪いなりにまとめても…」
◇国内女子◇住友生命Vitalityレディス東海クラシック 最終日(15日)◇新南愛知CC美浜C(愛知)◇6560yd(パー72)◇曇り(観衆6514人) 【画像】<パリ五輪>山下美夢有は涙止まらず 山下美夢有がまた勝てなかった。昨季の5勝はすべて単独首位からの逃げ切りで、後続に2打差の単独首位で迎えた最終日は今季初の“必勝パターン”だったが、この日のベストスコア「64」を出した岩井明愛にまくられた。 「ショットが結構曲がっていて、チャンスにつく回数も少なくて」。スタート1番で8mを放り込み、ガッツポーズで始まった気合十分の最終ラウンドだったが、その後のバーディは3m、1.2mを沈めた9、16番(パー3)の2つだけ。「69」に終わった。
未勝利の今季、国内出場16試合目で3試合連続7度目の2位。そんな“うれしくない記録”の中に驚異的なデータがある。ノーボギーで終えた大会が3月「アクサレディス」(36ホール短縮競技)、7月「大東建託・いい部屋ネットレディス」(72ホール競技)に続いて実に3度目。1989年ツアー制施行後、山下のほかに年間2度の“ノーボギーV逸”をした選手もおらず、史上初の珍記録を更新した格好だ。
パーセーブ率の歴代1位はかつての絶対女王イ・ボミ(韓国)が2016年にマークした「91.0112%」だが、今季の山下はそれを上回る「92.1509%」。この日もグリーン奥ラフにこぼした4番で2.5mを沈め、ショートサイドのグリーン左ラフに外した7番は3mをねじ込むなど、5つの1パット・パーを拾った。 そんな絶対的安定感を誇りながら勝利に恵まれない。「最近調子があまり良くないです。“悪いなりにまとめた”としても、それじゃあ優勝とかはできないなと思います」。山下が噛みしめるように現状を語った。(愛知県美浜町/加藤裕一)