老人ホームで亡くなった100歳の父から実家を相続し、そのまま放置。ある日届いた〈固定資産税の通知〉に76歳息子、思わず二度見「何かの間違いでは」【CFPが解説】
放置しておくと税金が最大6倍に!
するとビックリすることが起こりました。なんと翌年の固定資産税が6倍に増えていたのです。固定資産税や都市計画税には、上に建物がある土地については以下のような軽減措置が設けられているのですが、管理不全空家と認められてしまったため、軽減措置が受けられなくなってしまったのです。 区分 固定資産税 都市計画税 小規模住宅用地 住宅用地で住宅1戸につき200平方メートルまでの部分 税額×1/6 税額×1/3 一般住宅用地 小規模住宅用地以外の住宅用地 税額×1/3 税額×2/3 光男さんの土地は小規模住宅用地で、200平方メートルもなかったため、それまでの軽減特例が受けられず、一気に6倍になってしまいました。 そのあとしばらくして家を購入したいという人も現れ、無事に売却できたものの、田舎ということもあり相場よりも安く売る結果に。さらに家を解体することが条件となっており、解体費用も負担しなければならなくなりました。
家を売りたくない場合は空き家バンクを活用する方法も
もし光男さんが家を売りたくないと考えたときには、空き家バンクを利用する用法もあります。空き家バンクは自治体が運営しているサイトですので、比較的スムーズに利用希望者が見つかるでしょう。 また、家がバリアフリー仕様であれば、住宅セーフティネットを活用して、高齢者に貸し出すこともできます。
親が元気なうちに話し合っておくことが大切
田舎の家は今回のケースのように空き家になる可能性が高く、予防するには親が元気なうちにどうするのかを考えておくことが大切です。 光男さんも、茂さんが介護ホームに入ったと同時に家を売却する話を進めていたらよかったのかもしれません。とはいえ、まだ元気な親に早く家を売ってしまえとはなかなか言いにくいものです。 実際、茂さんは自分が亡くなったあとは光男さん夫婦が住むものだと考えていたようです。 ただ、遠慮していても話は進みません。光男さんのように相続後に大きな出費を迫られる可能性もあるため、早めに本音を言い合って話し、どうするかを決めてから行動に移すことをこころがけましょう。 その際にはできれば親の気持ちを尊重しながらも、そのあとに発生する自分への負担についてもきちんと伝えることを忘れないようにしてくださいね。 ■参考サイト 空き家の現状と課題|国土交通省 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001426966.pdf 空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を! | 政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html 空き家問題とは?日本の現状や対策、私たちにできることを解説 https://cococolor-earth.com/empty-house/ 新井智美 トータルマネーコンサルタント CFP
新井 智美