町のにぎわい拠点施設 相次ぎ休館 集客に苦戦、担い手も高齢化 島根県浜田市
地域活性化を目的にしたにぎわい拠点施設「縁の里地域振興施設(小波の郷)」(浜田市金城町波佐)が2025年4月に無期限で休館する。市内では地元産品などを販売する複合商業施設「地域交流プラザまんてん」(同市旭町丸原)も24年4月から休業しており、立地による集客の難しさに加え、まちづくりを中心的に担ってきた地域住民の高齢化で、施設の休館が相次ぐ。 【オープン】ENnoZA(エンノザ)ってどんなところ? ベーカリー、服飾雑貨など5つの店舗を紹介 出雲市
小波の郷は、地元自治会の要望で市が4800万円をかけて整備し、2011年に開所した。しかし、指定管理していた母体組織の地区まちづくり委員会とNPO法人えにしの里が25年度から管理を辞退。市は次の指定管理者が見つかるまでの休館を決めた。 国道186号沿いにあり、最盛期の14年ごろには年間約1万人が利用。週末などに開く産直市には常時60人が農産品、加工品を出荷した。近年は国道の交通量が3割近く減少し、集客に苦戦。コロナ禍以降PRイベントを中止した影響もあり、23年度は4397人にまで落ち込んだ。 産直に出荷する主な生産者は高齢化で15人ほどに減り、主な収入源の産直手数料が減少して、赤字状態だったという。 NPO法人の塚本守理事長は「高齢化もあり厳しかった。閉鎖ではなく有効利用してほしい」と話した。NPO法人は今後解散予定という。市金城支所産業建設課の河内誠一課長は「残念だ。管理を希望する団体や個人が出てくるか検討する」と述べた。
「地域交流プラザまんてん」も、町内の事業者らによる出資企業が指定管理期間途中で廃業し、4月から休業中。地域の人口減少に加え、コロナ禍や物価高で利用者が減り、赤字が続いていたという。 市旭支所によると、地元や関係機関と協議するが現時点で次の指定管理者は見つかっていない。用途変更も含めた施設の在り方について検討中としている。