巨人、楽天退団のマー君獲得へ調査開始 WBCで2度バッテリー組んだ阿部監督が熱望「実績がある」 入団なら幼なじみの坂本と共闘
巨人が楽天から自由契約となった田中将大投手(36)の獲得に向けた調査を始めることが15日、分かった。ハワイで優勝旅行に参加している阿部慎之助監督(45)が獲得を望んでおり、日米通算197勝(日本で119勝、メジャーで78勝)の右腕が伝統球団で再起を図る可能性が急浮上した。 【写真】2021年に侍ジャパンでチームメートだった田中将大(手前)と坂本勇人 日米で活躍した大物投手が、12球団最多22度の日本一を誇る名門に入る可能性が急浮上した。巨人が楽天を自由契約となった田中の獲得調査を開始。電撃加入への扉が開かれた。 昨秋に右肘のクリーニング手術を受けた田中はプロ18年目の今季、1試合の登板にとどまった。シーズン終了後に楽天から減額制限(年俸1億円以下は25%、年俸1億円超えは40%)を超える大幅減俸を提示され、協議の末に「居場所がないと受け取りました。求められるところでやるのが自分にとって一番だなと思った」と自ら自由契約を申し出て退団。トレーニングを続けながら、移籍先を探していた。 東京都内でのイベントに参加した8日には「特に今、言えるようなことはない」とNPB球団から公式な獲得オファーが届いていないことを明らかにしていた。 行く末が気になる田中の魅力を語ったのは、ハワイ優勝旅行中の阿部監督だ。2009、13年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でバッテリーを組んだ指揮官は「やっぱり、うちは若い投手が多いし、(田中には)実績がある。そういう面でも必要なのかな。(今オフにメジャー移籍を目指す)智之(菅野)が抜けると、ピッチャーのチームリーダーみたいな存在がいなくなる」と語った。 チームは今季、チーム最多の15勝を挙げた35歳の菅野が、海外フリーエージェント権を行使してメジャーに挑戦。勝ち頭が抜けるだけでなく、後輩たちにとって生きる教材といえるベテランが不在となる。田中は13年に開幕から24連勝を成し遂げて球団初のリーグ優勝、日本一に貢献。翌14年から米大リーグ、ヤンキースで通算78勝を挙げた豊富な経験は、若手の多い巨人投手陣にプラスになる。 さらに、加入となれば心強い味方がいる。野球を始めた兵庫・昆陽里(こやのさと)タイガース時代に6年間チームメートで、小、中学時代の同級生の坂本だ。6年時は坂本が投手、田中が捕手でバッテリーを組んだ。最近でもシーズンオフにはゴルフに出かける仲。巨人で18年間プレーし、精神的な支柱でもある坂本の存在は、田中がチームを理解する上で大きな助けとなる。阿部巨人が一時代を築いた〝マー君〟の新天地となるか。調査の進展に注目が集まる。