日本海の幸で海なし岐阜攻め 富山のスーパー2社 大阪屋、23日1号店 アルビス、来春2店舗目
富山のスーパー2社が岐阜県での店舗拡大に動いている。大阪屋ショップ(富山市)は23日、岐阜1号店を各務原市に開業、来春には関市に2店舗目のオープンを予定する。アルビス(射水市)も岐阜には5年前に1号店を出して進出、来年3月には北方町での新規開業を計画する。両社とも海産物などの生鮮を前面にPRする店づくりを掲げており、日本海の新鮮な魚介を目玉商品に、隣接する「海なし県」の市場を開拓する方針だ。 大阪屋ショップが23日にオープンする各務原店は4月に閉店したスーパーの建物を居抜きで使う。売り場面積は約2千平方メートルで、初年度の売上高は約18億円を目標とする。北陸を中心に全国の漁港から仕入れた旬の海鮮に加え、それらを生かした弁当、すしなど総菜もそろえる。 同社は昨年、愛知にも1号店を開設。担当者は「富山の人口が減っていることもあり、中京への進出を検討した」とし、来春に岐阜県関市に新設される複合商業施設に店舗を構える。 アルビスも2019年の岐阜県美濃加茂市を皮切りに、21、23年には名古屋市にそれぞれ店舗をオープンした。担当者によると、北陸の産品を使用した商品を多く販売する戦略を掲げ、売り上げは3店舗とも当初の目標を上回っているという。 2025年3月期から3年を期間とする中期経営計画には、中京エリアでの出店加速を盛り込んだ。担当者は「東海北陸自動車道で富山からアクセスがしやすく、店舗網を拡大するには最適なエリア」とし、計11店舗にまで引き上げる方針を示す。 中京エリアではバロー(岐阜県多治見市)が地場スーパーとして多店舗展開しているものの、生鮮食品などの品ぞろえを強化するドラッグストアの攻勢で北陸の食品スーパーは「飽和状態」との指摘もあり、中京に販路を求め、売り上げ規模を維持する狙いもあるとみられる。