筋肉が動かなくなる難病「ALS」と闘う小学校合唱部の先生 葛藤のなかで子どもたちと挑んだ最後の大会 【福岡発】
全国大会へ 目標は「金賞」獲得
九州大会を制し、全国大会へコマを進めた日明小合唱部。2024年11月、全国大会の舞台は福島・郡山市。日明小合唱部の目標は金賞を獲ることだ。「全員が悔いなく力を出し切れれば、それ以上はなにも要らない」と語る竹永先生。異動の可能性もあり、竹永先生にとってはこれが最後の大会となるかもしれないのだ。 「竹永先生と私たち6年生の最後の演奏なので、みんなの心に残り続けるような演奏にしたい」と子どもたちもこの日の意義を理解していた。 そして、いよいよ本番。 思いを込めて指揮をする竹永先生。脳裏には子どもたちとの思い出がよみがえる。「自分自身がいろいろ病気も含めて辛いことはいっぱいあったけど、いつも音楽が、どんなときも自分を支えてくれていたので、子どもたちにとっても音楽がそういう存在になってくれればいい」。子どもたちの澄んだ歌声が会場に響き渡った。 審査結果は、その日の夕方に発表された。 見事に「銀賞」。目標としていた金賞には、一歩及ばなかったものの、審査員からは高い評価を受けた。 「心の不安とか悩みとか聞いてもらったことがあって、今までの3年間竹永先生と歌えて本当によかった」「結果が全てじゃないし、竹永先生とみんな、心を合わせて歌えたから何よりも金賞だと思います」と6年生の言葉に竹永先生も思わず涙ぐむ。 「これから体が動かなくなる病気を持っている自分って、もしかしたら傍から見たら病気に負けているように見えるかもしれないけど、心が負けなければ何だってできるし、どこにだって行けるし、誰にだって会えるし、そういう姿を見て子どもたちのなかで、これから経験する挫折から立ち上がるきっかけとか、パワーになってくれれば」と竹永先生は、子どもたちに温かいエールを送った。 困難と向き合いながらも力強く生きていく小学校合唱部顧問の竹永亮太先生。これからも歌声で思いを伝え続けていく。 (テレビ西日本)
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